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掲載日:2021年5月6日

胸部外科

胸部外科レジデント募集について

      ・呼吸器外科専門研修カリキュラム(ワード:54KB)

      ※令和元年度(令和2年4月1日付採用)の2次募集受付中(令和元年12月26日必着)。

 

特色・専門分野

2019年までの治療概要

  • 主に肺がん・転移性肺腫瘍・縦隔・胸壁腫瘍・悪性胸膜中皮腫の外科治療を行っています。年間手術症例数(2019)は348例で、その内訳で最も多い肺がん手術症例は211例と増加傾向にあります(図①)。肺癌の手術は状況に応じて、胸腔鏡下手術c-VATS)、胸腔鏡補助下手術(h-VATS)、ロボット支援手術(da Vinci)などによるアプローチを主に行っています。また、転移性肺腫瘍に対しても、胸腔鏡による手術を主なアプローチとして使用しています。胸壁・縦隔腫瘍に関しては、胸腔鏡手術を導入していますが、症例によってアプローチを変更しています。また、悪性胸膜中皮腫に対する胸膜肺全摘術又は臓側胸膜・壁側胸膜切除術を、スペシャリストを招聘して施行しています。
  • IA期肺癌、診断未確定の肺野末梢腫瘤性病変に対する生検や、転移性肺腫瘍の一部、縦隔腫瘍の一部、良性疾患に対する手術は、低侵襲である胸腔鏡手術を積極的に行っています。
  • N2肺癌に対する、術前化学放射線療法の導入とその後の手術療法を積極的に行っています。
  • クリニカルパスの導入により入院・手術・退院までの過程を患者さんにわかりやすくし、業務の合理化や安全性の確保に役立ています。
  • ロボット支援手術(RATS)の手術の拡大に重点を置いています。
  • コロナ対策の一環として、手術患者さんにはコロナウイルスのPCR検査を施行させていただいております。ご協力宜しくお願いします。
図① 2005~2019 年の手術件数と疾患の内訳

胸部外科図1

 

I. 原発性肺癌

  • 2017年1月から肺癌取り扱い規約の改定があり、主にT 因子、M因子の改訂がありそれに伴ってステージも細かく設定されています。2019年の当院での臨床病期および病理病期は表①に示したように、病理病期ではstage 0-1期の肺癌が多く、120例(56.6%)でした。2019年の手術直接死亡率(30日)0%、手術関連死亡率(90日)0% でした。
表①2019年の肺癌手術症例(肺癌取り扱い規約第8版)

 

臨床病期

例数

病理病期

例数

0

 0

15(*pCR)

15(0)

IA1

30

IA1

42

IA2

49

IA2

47

IA3

23

IA3

16

IB

39

IB

26

ⅡA

 8

ⅡA

3

ⅡB

24

ⅡB

19

ⅢA

20

ⅢA

24

ⅢB

5

ⅢB

5

ⅢC

0

ⅢC

0

ⅣA

0

ⅣA

6

ⅣB

2

ⅣB

2

評価困難

12

評価困難

7

合 計

212

合 計

212

 * pCR:術前に化学放射線治療を施行し、病理検査でがん細胞が証明されなかった状態。

 

  • 肺癌に対する手術術式は肺葉切除術および縦隔リンパ節郭清が基本的な手術術式となりますが、腫瘍が小さい場合(積極的縮小手術)や高齢、肺機能低下、併存疾患などが原因で縮小手術(消極的縮小手術)を選択する事があります。2019年の術式区分を示しました(図②)
② 2019年の肺癌手術の術式区分

胸部外科2

 

  • 2000年から2015年までに切除した病理病期別肺癌切除症例(肺癌取り扱い規約第7版に準拠)の5年生存率は、1A期(904人)85.5%、1B期(367人)73.5%、2A期(86人)68.1%、2B期(148人)53.1%、3A期(223人)49.3%、3B期(180人)43.2%、4期(39人)23.5%でした(図③)。
③ 肺癌手術症例の治療成績(生存曲線=肺癌再発死亡のみではなく、他病死も含まれる)

胸部外科図3

 

  • 臨床病期1A肺癌に対する手術は完全鏡視下手術(complete VATS:c-VATS)を取り入れて行っています。 c-VATSは当施設におけるc-VATSは基本的に4つのポートで行います。開胸器を使わないため、比較的、疼痛の少ないアプローチです。肺動脈出血に対するアルゴリズムの作成や内視鏡手術による診療材料の遺残予防のマニュアル改訂など医療安全を強化しました。
  • 臨床病期IB期以h-VATSは6~8cmの小開胸とカメラポートで肺切除および縦隔リンパ節郭清を行います(図④)。stageⅡ-Ⅲ期肺癌や術前導入化学放射線療法を行ったケースや区域切除などが主な対象になります。腫瘍が7cmを越える大きい腫瘍や胸壁浸潤を伴う腫瘍は開胸(皮切>8.0cm)により、肺切除および拡大合併切除を施行します。
  • 肺がん進行症例に対しては呼吸器内科、放射線科と連携し、術前後の抗がん剤投与や放射線治療を組み合わせた治療を行い、治療成績の向上を目指しています。(術前導入化学放射線治療 および サルベージ手術)
  • 現在、uni-portal VATSは肺癌を含めた一部の疾患や生検のアプローチとして使用しています。
④ 完全鏡視下手術(c-VATS), 胸腔鏡補助下手術(h-VATS), 単孔式VATS(up-VATS)

胸部外科図4

   c-VATS                           h-VATS                             up-VATS

Ⅱ.転移性肺腫瘍

転移性肺腫瘍の手術は基本的には肺部分切除になりますが、腫瘍の位置や大きさにより、区域切除や肺葉切除が選択されることがあります。2005-2019年の転移性肺腫瘍の手術症例数は700例でした。2019 年の手術症例は56例、大腸・直腸がん原発が22例(39.3%)と多く、2番目に多いのが頭頸部がんで7例でした(表②)。

②2019年の転移性肺腫瘍手術例

 

原発巣

例 数

胸腔鏡下

大腸・直腸

22

21

肝・胆・膵

1

1

子宮

5

5

乳腺

1

1

卵巣

1

1

精巣

0

0

腎臓

0

0

1

1

軟部

1

1

耳鼻咽喉領域

7

7

5

5

その他

12

12

合 計

56

55

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Ⅲ.  胸壁・縦隔腫瘍

胸壁・縦隔腫瘍は2005年以後の当院の手術件数は194例で、2019年の1年間では13例と減少傾向にあり、胸腺腫5例、胸腺癌1例、先天性嚢胞2例、その他5例でした。また、縦隔に腫大するリンパ節の診断(悪性リンパ腫やサルコイドーシスなどの確定診断)も胸腔鏡による生検を行っています。

Ⅳ. 良性肺結節および炎症性肺腫瘤

当院では肺癌を疑う結節陰影に対して、気管支鏡検査やCTガイド下肺生検で診断出来ないまたは前記診断方法が適切でない場合、胸腔鏡手術による肺部分切除を施行し、悪性疾患であるかどうかの診断を行います。結果として良性腫瘍(硬化性肺胞上皮腫、肺過誤腫、扁平上皮混合型乳頭腫など)や炎症性結節(非結核性抗酸菌症などの炎症性肉芽腫や肺内リンパ節など)と診断される場合があります。

V. 悪性胸膜中皮腫

悪性胸膜中皮腫は比較的稀な疾患でアスベスト暴露が主な原因とされています。胸痛や呼吸困難感(胸水、気胸)などの症状で発症することが多く、初期は無症状の事もあります。原因不明の胸水の診断には、胸水の細胞診のみならず、積極的な胸膜生検が必要であり、悪性胸膜中皮腫の確定診断には免疫染色による病理診断を行う必要があります。確定診断が得られれば労災認定や環境再生機構から救済を受けることが出来るようになります。

確定診断後に全身検索や耐術能を精査し、手術可能な場合は胸膜肺全摘術、術後放射線治療、化学療法を順番に行います。この手術には多くの経験や複雑な手術技術の習得、習熟した術後管理が必要であることから、手術時には本疾患のスペシャリストを招聘して手術を行い、アドバイスを受けながら術後管理および経過観察を行う方針を取っています。基本的には胸膜肺全摘術を基本術式と考えていますが、比較的早期の症例で、胸膜肺全摘の耐術能に問題がある場合または患者さんの希望により、全胸膜切除術(臓側胸膜切除および胼胝切除術=Pleurectomy/Decortication)を選択します。また、手術不能な場合は、呼吸器内科で化学療法や免疫療法、放射線治療を併用します。

Ⅵ. 内視鏡手術支援ロボット(ダヴィンチ)による肺癌手術

2009年内視鏡手術支援ロボット(da Vinci Surgical System)が薬事承認され、2012年に前立腺癌に対する前立腺全摘術に対するロボット加算が初めて保険収載されました。当院でも、前立腺がんおよび胃癌に対するロボット支援手術を行っていましたが、2018年4月より、新たに肺癌および縦隔腫瘍(良性・悪性)に対してロボット支援手術の保険収載があり、施設基準と術者の基準を満たす者がロボットの支援手術を行う事ができます。2018年12月より、ロボット支援手術を開始し、2019年10月に肺悪性腫瘍に対する肺葉切除術の保険診療の施設認定を取得しました。2018~2020年8月までに30例以上のロボット支援手術を施行しました。2020年9月より従来のda Vinci Si(機種)に加えda Vinci Xiを導入しました。また、縦隔腫瘍に対する手術は準備段階で、2021年を目途に保険による手術を目指しています。従来の手術より低侵襲で安全な手術を目指しております。 

④ ロボット支援(da Vinci Si)による肺癌・縦隔腫瘍手術(RATS)導入(2018年12月)

図5

 

図⑤ ロボット支援による肺癌手術の開始(RATS)

図5

 

胸部外科図5

図6.Intuitive社 da_Vinci_Xi_サージカルシステム_クリニカルスペシャリティガイドより引用 ( 新規導入機種) 

胸部外科図6

図7.Xiのトレーニング(2020年9月)

呼吸器外科専門研修医募集

  • 呼吸器外科専門研修医カリキュラム

 

リンク

スタッフ

平田 知己 ヒラタ トモミ

胸部外科平田知己

科長兼診療部長/昭和63年 北里大学医学部卒 平成15年 日本医科大学大学院修了

専門

胸部一般外科

資格

日本外科学会専門医、指導医

日本呼吸器外科学会専門医、指導医

日本呼吸器学会専門医

日本がん治療認定機構暫定教育医

日本消化器内視鏡学会専門医

日本呼吸器外科学会評議員

日本内視鏡外科学会評議員

木下 裕康 キノシタ ヒロヤス

写真:木下 裕康

副部長/平成7年 日本医科大学卒

専門

呼吸器外科

資格

日本外科学会 専門医

日本呼吸器外科学会 専門医
日本癌治療認定医機構 癌治療認定医

中島 由貴 ナカジマ ユキ

写真:中島 由貴

副部長/平成13年 日本医科大学卒   平成23年 日本医科大学大学院修了

専門

肺癌・転移性肺腫瘍・縦隔腫瘍の外科治療、胸腔鏡手術、ロボット手術

資格

日本外科学会 専門医・指導医

日本呼吸器外科学会 専門医

日本呼吸器学会 専門医
日本癌治療認定医機構 がん治療認定医

肺がんCT検診認定機構 認定医

日本呼吸器外科学会 評議員

医学博士

埼玉医科大学非常勤講師

Intuitive社によるロボット手術のcertification取得

 山崎 庸弘 ヤマザキ ノブヒロ

YamazakiN医長/平成10年 順天堂大学医学部卒

専門

呼吸器外科

資格

外科専門医

気管支鏡専門医 指導医
呼吸器外科専門医

呼吸器専門医

CT検診認定医

秋山 博彦 アキヤマ ヒロヒコ

写真:秋山 博彦

平成元年 山梨医科大学卒

専門

肺癌・転移性肺腫瘍・縦隔腫瘍の外科治療、胸腔鏡手術

資格

日本外科学会認定医、外科専門医

日本胸部外科学会認定医、正会員
日本呼吸器外科学会専門医、指導医
日本癌治療認定医機構 癌治療認定医、暫定教育医

角田 悟 カクタ サトル

角田Dr胸部医員/平成27年東京医科大学卒

専門

呼吸器外科

資格

日本外科学会 専門医

 

 

 

 

お問い合わせ

地方独立行政法人埼玉県立病院機構 埼玉県立がんセンター  

郵便番号362-0806 埼玉県北足立郡伊奈町小室780番地 埼玉県立がんセンター

ファックス:048-722-1129

検査や治療又は診療の内容に関する個別のご相談には応じかねます。
がん相談については、地域連携・相談支援センターをご利用ください。
地域連携・相談支援センター連絡先
電話:048-722-1111
受付時間 平日9時00分~16時00分

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