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掲載日:2024年4月1日
私たちのからだは、数十兆個の細胞から構成されています。それらの細胞は、お互いに協調して成長や健康維持のために働いています。そのかじ取りをしているのが、細胞の中にある遺伝情報です。その遺伝情報(DNA)に変化がおこり、それが蓄積することによって細胞の性質が変わってしまうことがあります。がんは、このように正常な細胞が性質を変えながら発症する病気です。がん細胞は、無秩序に増殖したり、周囲に浸潤したり、遠くの臓器に転移したりしますが、こうした性質は、まさに遺伝子が変化したことによりもたらされるものです。そのため、がん細胞の中で起こった遺伝子の変化を調べることは、がん細胞の性質を知る手がかりになります。その情報をもとに、一部の抗がん剤では、治療効果を予測することができるようになりました。腫瘍診断・予防科では、遺伝子解析技術を用いて患者さんに最もあった治療法の選択、抗がん剤の副作用の予測、がん体質の予測など、一人ひとりの患者さんに合った医療(最近では「プレシジョン メディシン(精密医療)」などとも呼ばれることがあります)を提供しています。
※遺伝情報のうち、蛋白質を作るための情報を担っている部分を「遺伝子」と呼びます。遺伝情報はDNAという形で主に細胞の核と呼ばれる場所に存在します。
肺がんや大腸がんに対する薬物療法においては、上皮増殖因子受容体(EGFR)などに対する分子標的治療薬の効果予測のために遺伝子検査(体細胞遺伝子検査)を行います。また、膵臓がんや悪性黒色腫の転移の有無を高感度な遺伝子検査(体細胞遺伝子検査)にて判定いたします。
当科にて解析した肺腺がんにおけるEGFR,KRASの遺伝子変異、ALK融合遺伝子及びRET融合遺伝子をco-mutation plotで表示した。
EML4-ALK V3a/bを検出
白血病や悪性リンパ腫の遺伝子診断や治療効果判定のための遺伝子検査を行っています。
その他、診断や治療に関わる重要な遺伝子検査を実施しています。
遺伝性の大腸がんや乳がん、卵巣がんなどがんになりやすい原因となる遺伝子検査(遺伝学的検査)を実施しています。
ミスマッチ修復遺伝子(MLH1, MSH2, MSH6, PMS2), BRCA1/2, TP53, APC, MUTYH, POLD1, POLE, RETなど
PMS2に4塩基の欠損が認められた。
遺伝性大腸がんや家族性乳がんなど様々ながん体質に関する専門外来を実施しています。遺伝性腫瘍はその頻度が低いため、病気に関する情報が得られにくいことが多く、また、どこで相談したらよいかその窓口が分からないことも少なくありません。
遺伝カウンセリングとは、「遺伝的な病気に関する情報の提供や遺伝性の可能性の評価、遺伝子診断(遺伝学的検査)・予防・治療などに関する説明やサポート、心のケアや社会的な支援を行い、ご本人が自ら考え、判断できるように寄り添ってサポートしていくこと」です。
当科では、遺伝カウンセリング外来を開設しています。
腫瘍診断・予防科 | 月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 |
担当医 | 赤木究 吉田玲子 | 赤木究 吉田玲子 | 赤木究 吉田玲子 | 吉田玲子 | ゲノム外来 |
遺伝カウンセラー |
角田美穂 仲なつき | 角田美穂 仲なつき | 角田美穂 仲なつき | 角田美穂 仲なつき |
科長兼診療部長/昭和61年 宮崎医科大学卒(熊本大学第二内科)、平成4年熊本大学大学院卒
専門 | 腫瘍の遺伝子診断、腫瘍遺伝学 |
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資格 |
日本家族性腫瘍学会 評議員 日本遺伝カウンセリング学会 評議員 臨床遺伝専門医・指導医 臨床検査管理医 |
副部長/平成12年 昭和大学歯学部卒
専門 | 腫瘍の遺伝子診断、腫瘍遺伝学 |
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資格 |
臨床遺伝専門歯科医 |
副部長/平成14年 日本医科大学卒、令和3年 東北大大学院卒
専門 | 腫瘍の遺伝子診断、腫瘍遺伝学 |
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資格 |
日本人類遺伝学会 臨床遺伝専門医・指導医 日本遺伝性腫瘍専門医・指導医 日本乳癌学会 乳腺専門医 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医 精中委検診マンモグラフィ 読影認定医 日本人類遺伝学会 評議員 日本遺伝カウンセリング学会 評議員、保健委員副委員長、編集委員 日本遺伝性腫瘍学会 評議員、保険診療委員委員長、編集委員副委員長、学術委員副委員長 日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構(JOHBOC) 学術委員副委員長 ゲノム医療当事者団体連合会顧問 |
非常勤
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