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掲載日:2024年12月1日

頭頸部外科

御挨拶 

 私たち埼玉県立がんセンター頭頸部外科は、多くの患者さんがここでお世話になってよかったと感じていただけるように日々診療を行っています。地元の皆さんに愛され、ここに集まっていただける病院にしたいと願っています。

 埼玉県下には頭頸部癌診療を扱っている医療機関が非常に少ないという現実があります。今までに診た過去の相当な数の患者さんの治療実績と長年の経験を生かして技術的にも高い頭頸部癌治療を自信をもって提供しています。また、患者さんの気持ちを察し、わかりやすい対話を十分していくこと、技術的にも質の高い、安全で確実な治療を提供することを大事にしています。医療の本当の質を高めていくには、目の前の患者さんに誠実に向き合うことと、そこから反省を繰り返し教わっていく謙虚さが大切です。現在は比較的若手の多いチーム編成ですが、皆さまから御指導、御鞭撻いただきますようどうぞよろしくお願い申し上げます 。

頭頸部1

 また、当院では診断がまだついていない頸部腫瘤患者さんや咽喉頭異常感を訴える患者さんの精査やスクリーニングも喜んで致します。がんの診断がついていない段階での御紹介でかまいません。医療機関の先生方におかれましては、たくさんの患者様を遠慮なくご紹介、ご相談いただけますようどうぞよろしくお願い申し上げます。

当科の治療方針 

  • 当科は手術治療を主におこなう外科系診療科で、手術に主力を注いでいます。近年の新薬開発は目覚ましいものがありますが、手術は頭頸部2決してその役目が失われることのない治療手段だと思います。

ただし、もちろん疾患や進行度に応じて放射線治療や化学療法、分子標的薬治療、免疫チェックポイント阻害薬を取り入れて、集学的治療も行い、治療後の生活の質への配慮も含めトータルで方針を決定、提示しております。疾患ごと、進行度ごとの治療方針を科内でしっかりと決めており、原則的にはそれにのっとって標準的、あるいはその患者さんにとって現実的に妥当と思われる治療法を提示いたします。治療方針や手術術式によって形成外科医、消化器外科食道外科チーム、脳外科医、放射線治療医、腫瘍内科医、精神腫瘍科医などとチーム医療を実践しています。また、院内の頭頸部食道キャンサーボードの活用も積極的に行っています。 

  • 進行癌の切除と再建手術を得意としていますが、最近は早期癌に対する内視鏡補助下咽頭腫瘍切除など臓器温存手術、低侵襲手術にも取り組んでいます。
  • 頭蓋底に浸潤する悪性腫瘍に対しても積極的に手術(craniofacial resection)を取り入れるようにしました。
  • 治療の結果、高度な嚥下機能障害に陥った方には、頭頸部外科医、摂食嚥下認定看護師、言語聴覚士、歯科医、口腔衛生士らからなる頭頸部3嚥下支援チームがかかわり、リハビリ等にも積極的に取り組んでいます。リハビリでも改善が見込めない場合、外科的な嚥下改善手術、誤嚥防止手術なども行っています。
  • セカンドオピニオンをお受けすることもできますし、場合によっては当院から積極的にお勧めするようにもしています。

 

 

 

 

  • 一方、残念ではありますが以下のような場合は根治的な治療をお引き受けできない場合があり、お話しをお聞きしたうえで他院での治療をお願いする場合があります。

○治療以前から全身的な予備能力があまりに乏しく、がん治療そのものが難しい方(重症な心、肺、肝、腎疾患の合併症、既往症がある方、腎臓透析治療を受けている方、自力で歩けないなどの基礎体力の極度の低下のある方などがあげられます)。

○患者様ご自身が、医師の説明を理解したり、ご自身の意思を伝えたりする能力に欠ける場合(かなり重度の認知症患者さん等)。ご自身が病気であるという意識に欠けたり、治療の継続的な意思持続ができない方。

専門分野 

  1. 鼻副鼻腔がん
  2. 口腔(舌、口腔底、頬粘膜、上・下歯肉、口蓋、口唇)がん
  3. 咽頭(上咽頭、中咽頭、下咽頭)がん
  4. 喉頭(声門上、声門、声門下)がん
  5. 頸部食道がん
  6. 唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)がん
  7. 甲状腺がん
  8. 原発不明頸部転移癌
  9. 縦隔進展例の頭頸部癌や食道癌との重複例
  10. 頭蓋底に浸潤する腫瘍・顔面深部の腫瘍性病変 
  11. その他~一般に他院で治療が難しいと言われた方でも積極的に治療を検討します。

頭頸部外科手術統計(2020年4月~2021年3月) 

コロナ禍のため外来新患枠制限、手術枠制限の影響を受けてそれが無関係だった2年前に比して53件の減少を認めました。

疾患・腫瘍部位 良性 悪性 合計
鼻・副鼻腔 0 6 6
口腔 2 48 50
中咽頭 2 31 33
下咽頭・頸部食道 0 41 41
喉頭 4 42 46
甲状腺 16 65 81
副甲状腺 2 2 4
唾液腺 7 15 22
原発不明   8 8
その他(頸部腫瘤・頭頸部以外のがんなど) 88
  379

 

治療成績(PDF:804KB)

外来担当表 

  診療科目   月曜日  火曜日    水曜日   木曜日  金曜日
頭頸部外科 ①③⑤塩水 再/小出 再
②④福島 再
①③⑤福島 再 
②④塩水 再   
①③⑤小島 再  
②④柳橋 再
①③⑤柳橋 再
②④小出 再/小島 再
①③⑤小出 再  
  梶野 晃雅 再 白倉 聡 再   白倉 聡

※医師名に「初」の記載があるものは「初診」のみ、「再」は「再診」のみ、記載がないものについては初・再診ともに行っています。

※数字の記載のある診療は、週によって担当医が異なります。(➀=第1週、➁=第2週、……)

スタッフ 

別府 武 ベップ タケシ

別府Dr頭頸部

副病院長
/平成3年 山形大学卒/癌研有明病院頭頸科(1997-2010)

患者様へのメッセージ

「地域の皆様に愛される病院、愛される診療科を目指しています。当科は笑顔を大事にしています。」

 

 

専門

頭頸部がん手術(切除と再建 両方)、喉頭機能温存手術、
縦隔病変の手術、顔面深部病変の手術、唾液腺癌治療

特に再発例や一般に切除困難とされる例も可能な限り検討します

資格

医学博士

東京医科歯科大学臨床教授、山形大学臨床教授

東京医科歯科大学非常勤講師、埼玉医科大学非常勤講師
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
頭頸部外科学会認定頭頸部がん専門医

日本耳鼻咽喉科学会認定専門医、専門研修指導医

日本気管食道科学会認定専門医・評議員
日本頭頸部癌学会評議員

日本頭頸部外科学会評議員、編集委員会委員

日本嚥下医学会評議員

埼玉県耳鼻咽喉科医会常任理事、広報委員会担当理事、学術委員会委員、医事問題委員会委員、専門医制度委員会委員

群馬大重粒子線センター頭頸部癌部会委員

緩和ケア研修修了

嚥下機能評価研修修了

Global Postlaryngectomy Rehabilitation Academy認定修了

日本静脈経腸栄養学会認定TNT修了

身体障害者福祉法第15条指定医

ベストドクターズ社による「The Best Doctors in Japan」選出

白倉 聡 シラクラ サトシ

頭頸部外科白倉聡

 科長兼診療部長/平成11年 山形大学卒

専門

頭頸部腫瘍の診断、治療

資格

医学博士

東京医科歯科大学頭頸部外科 臨床教授

日本耳鼻咽喉科学会専門医、指導医

日本頭頸部外科学会頭頸部がん専門医、指導医

日本がん治療認定医機構 がん治療認定医

臨床研修指導医

日本頭頸部癌学会 教育委員会 教育委員長

緩和ケア研修修了

嚥下機能評価研修修了

日本静脈経腸栄養学会認定TNT修了

身体障害者福祉法第15条指定医

小出  暢章 コイデ ノブアキ

小出Dr頭頸部医員/平成23年 東京医科歯科大学卒

患者様へのメッセージ

「機能と根治性を追求し、患者様の気持ちに寄り添った医療を心掛けております。何でもご相談ください。」

専門

頭頸部外科

資格

日本耳鼻咽喉科学会 専門医

日本がん治療認定医機構がん治療認定医

緩和ケア研修 修了

 

福島 亮 フクシマ リョウ

頭頚部外科福島Dr画像医員/平成29年 奈良県立医科大学医学部医学科

専門

頭頚部外科

資格

緩和ケア講習会 修了

 

 

小島 史也 コジマ フミヤ

頭頸部外科小島Dr医員/平成31年 東京医科歯科大学卒

専門

頭頚部外科、耳鼻咽喉科

資格

緩和ケア講習会 修了

 

 

塩水 紀香 シオミズ キキョウ

医員/平成28年 山形大学卒

資格

耳鼻咽喉科専門医

 

梶野 晃雅 カジノ アキマサ

頭頸部外科梶野Dr医員/令和元年 東京医科歯科大学卒

専門

頭頚部外科、耳鼻咽喉科

資格

緩和ケア講習会 修了

 

柳橋 賢 ヤナギハシ サトシ

頭頸部外科柳橋Dr医員/平成29年 東京医科歯科大学卒

専門

頭頚部外科

資格

耳鼻咽喉科専門医

緩和ケア講習会 修了

 

お問い合わせ

地方独立行政法人埼玉県立病院機構 埼玉県立がんセンター  

郵便番号362-0806 埼玉県北足立郡伊奈町小室780番地 埼玉県立がんセンター

ファックス:048-722-1129

※※お問い合わせフォームご活用時の注意点※※

上記フォームからの受診や治療等に関するお問い合わせについては、医療上の安全確保のため回答しておりません。
受診や治療等に関するご相談は、患者サポートセンターへ直接お電話でお問い合わせください。
担当の者が内容を伺い対応させていただきます。
なお、既にがんセンターを受診している方の場合は、診療科外来へお問い合わせください。

【患者サポートセンター連絡先】
電話番号:048-722-1111(代)※「患者サポートセンターに相談したい」とお伝えください。
受付時間:平日9時~12時、14時30分~15時30分

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