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掲載日:2025年10月1日

頭頸部外科

御挨拶 

 埼玉県立がんセンター頭頸部外科は、多くの患者さんがここでお世話になってよかったと感じていただけるように日々診療を行っています。地元の皆さんに愛され、ここに集まっていただける病院にしたいと願っています。

 埼玉県下には頭頸部癌診療を扱っている医療機関が非常に少ないという現実があります。当科では今までの治療実績と長年の経験を生かして技術的にも高いレベルの頭頸部癌治療を提供することを目指しています。また、患者さんの気持ちを察しわかりやすい説明を十分行っていくこと、質の高く安全で確実な治療を提供することを大事にしています。医療の質を高めていくには、目の前の患者さんに誠実に向き合うことと、そこから振り返り学んでいく気持ちが大切です。現在は比較的若手の多いチーム編成ですが、皆さまから御指導、御鞭撻いただきますようどうぞよろしくお願い申し上げます 。

 また、当院では診断がまだついていない頸部腫瘤患者さんや咽喉頭異常感を訴える患者さんの精査やスクリーニングも受け入れております。がんの診断がついていない段階での御紹介でかまいません。医療機関の先生方におかれましては、たくさんの患者様を遠慮なくご紹介、ご相談いただけますようどうぞよろしくお願い申し上げます。

頭頸部1

当科の治療 

●手術治療

 当科は手術治療を主におこなう外科系診療科であり、切除可能なものは積極的に手術を行うようにしています。口腔がんや甲状腺がん、唾液腺癌、進行咽頭がんなどにおいては手術治療が第一選択となります。近年進歩の目覚ましい咽頭表在癌に対しては内視鏡科との合同手術(内視鏡補助下咽頭腫瘍切除)を積極的に取り入れています。進行癌に対しては形成外科との再建手術を行い、最大限の機能温存を目指しております。頭頸部2

●放射線治療

 頭頸部のがんに対して手術と双璧となるのが放射線治療であり、放射線科と共同で治療を行っております。声帯にできる早期がんなどは良い適応になります。また、進行頭頸部がんの手術を行った患者さんに対し追加治療としても多数行っています。近年主に中咽頭(いわゆる扁桃腺や舌の奥の部分の舌根)にできるがんはウイルスが関与しており放射線治療が非常に効果的であることがわかってきました。そのような症例に関しては化学療法を併用した放射線治療を行っております。放射線治療中には治療を受けている部位の炎症による痛み、食事がとれないなどの合併症も必ずといっていいほど起きてきます。そのような症状にも鎮痛剤の投与などきめ細やかに対応いたします。

●化学療法

 最近進歩が目覚ましいのは薬剤の分野です。いわゆる抗がん剤だけではなく分子標的薬(がんが大きくなるのに必要なたんぱく質などを狙い撃ちし、その機能を抑えることによって、病気を治療する目的で開発された薬剤)、免疫チェックポイント阻害薬(がん細胞が免疫のはたらきにブレーキをかけているのに対して、がん細胞によるブレーキを解除することで、免疫細胞の働きを再び活発にしてがん細胞を攻撃できるようにする薬剤)などが頭頸部がんに対して新たに保険適応となっています。当科でもこうした薬剤に関しては当院の腫瘍内科医と連携して副作用などに対応しつつ積極的に使用しております。但し、保険適応外になるようないわゆる治験に関しては他院へ紹介させていただいております。

●支持療法

 支持療法とはがんそのものに伴う症状や、治療による副作用・合併症・後遺症による症状を軽くするための予防、治療、およびケアのことです。前に述べた放射線治療中の痛みや嚥下障害だけでなく、手術治療の結果、高度な嚥下機能障害に陥った方には、頭頸部外科医、摂食嚥下認定看護師、言語聴覚士、歯科医、口腔衛生士らからなる嚥下支援チームがかかわり、リハビリ等にも積極的に取り組んでいます。リハビリでも改善が見込めない場合、外科的な嚥下改善手術、誤嚥防止手術なども行っています。また、手術創部の回復に対しては栄養の充実が必要です。当院の栄養サポートチームなどへの依頼も積極的に行い、栄養面でのケアも行っています。

●キャンサーボード

 頭頸部がんはお酒やたばこの摂取が原因となることが多いです。またそのような生活習慣をもつ患者さんは食道や胃にも重複がん(転移ではなく、同時性あるいは異時性にがんができること)が隠れていることがあります。それが内視鏡で治療できるような早期のがんならばよいですが、症状をあまり自覚していないが手術が必要な症例が新たに見つかった時には、どのように治療したほうが良いかの綿密な検討が必要になります。そのためそのような重複がん症例には、頭頸部外科医、食道外科医、放射線治療医、形成外科医、消化器内科医、内視鏡科医、歯科口腔外科医、看護師など多職種による症例検討会を行っており、これをキャンサーボードと言います。原則月1回開催しておりますが、方針を早く決めたい場合には臨時でも開催しています。頭頸部3

また、原発不明がんに関しても他科、多職種らと協議して頭頸部領域の原発が疑われる例においては治療を引き受けています。

●セカンドオピニオン

 治療法に関して他施設での意見を聞きたいという希望があれば、積極的に紹介しています。また他施設からそのような紹介があれば、毎週金曜日に紹介を受けています。

●治療をお受けできない場合

 一方、残念ではありますが以下のような場合は根治的な治療をお引き受けできない場合があり、お話しをお聞きしたうえで他院での治療をお願いする場合があります。

♦治療以前から全身的な予備能力があまりに乏しく、がん治療そのものが難しい方(重症な心臓、肺、肝臓、腎臓の合併症・既往症がある 方、透析治療を受けている方、自力で歩けないなどの基礎体力の極度の低下のある方などがあげられます)。

♦患者様ご自身が、医師の説明を理解したり、ご自身の意思を伝えたりする能力に欠ける場合(かなり重度の認知症等)。精神疾患などでご自身が病気であるという理解が難しく、治療の継続的な意思持続ができない方。

専門分野 

  1. 鼻副鼻腔がん
  2. 口腔(舌、口腔底、頬粘膜、上・下歯肉、硬口蓋、口唇)がん
  3. 咽頭(上咽頭、中咽頭、下咽頭)がん
  4. 喉頭(声門上、声門、声門下)がん
  5. 頸部食道がん
  6. 唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)がん
  7. 甲状腺がん
  8. 原発不明頸部転移がん
  9. 縦隔進展例の頭頸部癌や食道癌との重複例
  10. その他~一般に他院で治療が難しいと言われた方でも積極的に治療を検討します。

頭頸部がん患者統計(2022年~2024年) 

手術症例(主たる治療法が手術)
 

2022年

2023年

2024年

口腔癌

25例

49例

57例

咽頭癌

30例

61例

89例

喉頭癌

5例

6例

21例

鼻・副鼻腔癌

3例

2例

4例

甲状腺癌

53例

62例

82例

唾液腺癌

8例

5例

10例

その他頭頸部がん

5例

7例

9例

129例

192例

272例

 

放射線治療・化学療法・緩和療法症例
 

2022年

2023年

2024年

口腔癌

4例

5例

5例

咽頭癌

100例

106例

88例

喉頭癌

27例

28例

22例

鼻・副鼻腔癌

9例

5例

10例

甲状腺癌

4例

12例

9例

唾液腺癌

3例

4例

2例

その他頭頸部がん

25例

17例

9例

172例

177例

145例

 

外来担当表 

  診療科目   月曜日  火曜日    水曜日   木曜日  金曜日
頭頸部外科

①③⑤小出 再

①③⑤水野 再  

①③⑤野島 再  

①③⑤柳橋 再

①③⑤小出 再 

②④水野 再 ②④菅原 再 ②④柳橋 再 ②④小出 再/野島 別府 武 初
梶野 晃雅 別府 武 初 白倉 聡   白倉 聡

※医師名に「初」の記載があるものは「初診」のみ、「再」は「再診」のみ、記載がないものについては初・再診ともに行っています。

※数字の記載のある診療は、週によって担当医が異なります。(➀=第1週、➁=第2週、……)

スタッフ 

別府 武 ベップ タケシ

別府D2025副病院長
/平成3年 山形大学卒/癌研有明病院頭頸科(1997-2010)

患者様へのメッセージ

「地域の皆様に愛される病院、愛される診療科を目指しています。当科は笑顔を大事にしています。」

 

 

専門

頭頸部がん手術(切除と再建 両方)、喉頭機能温存手術、
縦隔病変の手術、顔面深部病変の手術、唾液腺癌治療

特に再発例や一般に切除困難とされる例も可能な限り検討します

資格

医学博士

東京医科歯科大学臨床教授、山形大学臨床教授

東京医科歯科大学非常勤講師、埼玉医科大学非常勤講師
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
頭頸部外科学会認定頭頸部がん専門医

日本耳鼻咽喉科学会認定専門医、専門研修指導医

日本気管食道科学会認定専門医・評議員
日本頭頸部癌学会評議員

日本頭頸部外科学会評議員、編集委員会委員

日本嚥下医学会評議員

埼玉県耳鼻咽喉科医会常任理事、広報委員会担当理事、学術委員会委員、医事問題委員会委員、専門医制度委員会委員

群馬大重粒子線センター頭頸部癌部会委員

緩和ケア研修修了

嚥下機能評価研修修了

Global Postlaryngectomy Rehabilitation Academy認定修了

日本静脈経腸栄養学会認定TNT修了

身体障害者福祉法第15条指定医

ベストドクターズ社による「The Best Doctors in Japan」選出

白倉 聡 シラクラ サトシ

白倉D2025 科長兼診療部長/平成11年 山形大学卒

専門

頭頸部腫瘍の診断、治療

資格

医学博士

東京医科歯科大学頭頸部外科 臨床教授

日本耳鼻咽喉科学会専門医、指導医

日本頭頸部外科学会頭頸部がん専門医、指導医

日本がん治療認定医機構 がん治療認定医

臨床研修指導医

日本頭頸部癌学会 教育委員会 教育委員長

緩和ケア研修修了

嚥下機能評価研修修了

日本静脈経腸栄養学会認定TNT修了

身体障害者福祉法第15条指定医

小出  暢章 コイデ ノブアキ

小出Dr頭頸部医員/平成23年 東京医科歯科大学卒

患者様へのメッセージ

「機能と根治性を追求し、患者様の気持ちに寄り添った医療を心掛けております。何でもご相談ください。」

専門

頭頸部外科

資格

日本耳鼻咽喉科学会 専門医

日本がん治療認定医機構がん治療認定医

緩和ケア研修 修了

 

梶野 晃雅 カジノ アキマサ

頭頸部外科梶野Dr医員/令和元年 東京医科歯科大学卒

専門

頭頚部外科、耳鼻咽喉科

資格

緩和ケア講習会 修了

柳橋 賢 ヤギハシ サトシ

頭頸部外科柳橋Dr医員/平成29年 東京医科歯科大学卒

専門

頭頚部外科

資格

耳鼻咽喉科専門医

緩和ケア講習会 修了

水野 雄介 ミズノ ユウスケ

医員

菅原 康平 スガハラ コウヘイ

頭菅原Dr医員/令和3年 東京医科歯科大学卒

専門

頭頚部外科

資格

緩和ケア研修会 修了

野島 誠 ノジマ マコト

緩和野島Dr医員/令和4年 信州大学卒

専門

頭頚部外科

資格

緩和ケア講習会 修了

 

お問い合わせ

地方独立行政法人埼玉県立病院機構 埼玉県立がんセンター  

郵便番号362-0806 埼玉県北足立郡伊奈町小室780番地 埼玉県立がんセンター

ファックス:048-722-1129

※※お問い合わせフォームご活用時の注意点※※

上記フォームからの受診や治療等に関するお問い合わせについては、医療上の安全確保のため回答しておりません。
受診や治療等に関するご相談は、患者サポートセンターへ直接お電話でお問い合わせください。
担当の者が内容を伺い対応させていただきます。
なお、既にがんセンターを受診している方の場合は、診療科外来へお問い合わせください。

【患者サポートセンター連絡先】
電話番号:048-722-1111(代)※「患者サポートセンターに相談したい」とお伝えください。
受付時間:平日9時~12時、14時30分~15時30分

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