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掲載日:2022年7月29日

血管外科

血管疾患と治療

深部静脈血栓症

下肢の深部静脈に血栓(血の塊)ができて詰まってしまう病気です。前述した下肢静脈瘤は、下肢の表面の血管(表在静脈)におこります。深部静脈とは、下肢の深い部分(骨の近くと筋肉の中)にある血管です。なぜ、この深部静脈血栓が問題かですが、血栓が肺にとび肺血栓塞栓症になる場合があるからです。

長時間、脚を動かさないでいることや脱水などで起こす場合があり、飛行機で長時間旅行した時などエコノミークラス症候群などといわれ話題となっています。また、最近でも地震の被災地での避難生活や車中泊でも話題となりました。せまいところで、長時間脚を動かかさいことにより、深部静脈に血栓ができ、活動し始めた時に血栓が肺に飛んで肺の血管を閉塞させます(肺血栓塞栓症)。肺血栓塞栓症は、胸痛や呼吸困難などの症状をおこすこともありますが、重症の場合心停止で死亡することもある怖い病気です。

深部静脈血栓症の症状は、やや急速に下肢がむくんで腫れ上がり、痛みや違和感を生じます。症状が典型でない場合もあり、疑われた場合には、超音波検査をおこないます。採血で血栓があった場合に上昇するDダイマーも測定しますが、超音波検査が有用です。血栓を認めた場合、症状により造影CTやMRAや肺血流シンチ、心臓エコーなどをおこない、重症度は判断します。

治療は、病状によりますが、血液が固まるのを抑制する薬を点滴・内服するのが一般的です。最近では、新しい薬も登場し、比較的入院期間が短く、場合によっては、外来治療も行っています。

血栓が多く、肺血栓塞栓症を起こしている場合、出血などで血液をさらさらになる薬が使えない場合などは、下大静脈にフィルターを挿入する場合もあります。しかし、フィルター合併症も報告されているため、2週間から4週間後に原則フィルターを抜去しています。また、下肢のむくみが強く、疼痛などの症状が強い場合には、カテーテル血栓溶解療法や血栓除去術をおこなう場合もあります。

この処置により血栓後症候群(静脈瘤、潰瘍、腫脹など)の予防になると報告されています。また、さらさらの薬は、最低3ヶ月飲んでいただき、その後は、患者さんの状況に合わせて考えます。血栓後症候群予防には、弾性ストッキングも着用することも重要と考えています。

深部静脈血栓症は、予防も重要であり、長時間の同じ姿勢をさけて、定期的に足の運動をして、足の静脈の流れを良くするよう心がけてください。予防的に弾性ストッキングを着用することも重要ですが、動脈の血流障害があるかたや神経症障害がある方は気を付ける必要があります。

深部静脈血栓症1

 

深部静脈血栓症2

 

 

お問い合わせ

地方独立行政法人埼玉県立病院機構 埼玉県立循環器・呼吸器病センター  

郵便番号360-0197 埼玉県熊谷市板井1696

ファックス:048-536-9920

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