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掲載日:2022年7月29日

血管外科

血管疾患と治療

下肢閉塞性動脈硬化症

 下肢閉塞性動脈硬化症

高齢化と喫煙や生活習慣病の増加により動脈硬化となります。動脈硬化は、血管が細くなり閉塞することも有ります。脳におこれば脳梗塞、心臓におこれば心筋梗塞となりますが、下肢に起これば下肢閉塞性動脈硬化症となります。

下肢閉塞性動脈硬化症は、血流障害はあるものの症状がない患者さんもいますが、血流障害が強くなると、間歇性跛行症状が出ます。間歇性跛行とは、歩くとふくらはぎの筋肉に痛みが出現するものの、立ち止まって休憩すると痛みがなくなって、またしばらく歩けるようになる症状です。さらに血流障害が進行すると、じっとしていても足先が痛む「安静時痛」が生じます。さらに進行すると足の「潰瘍」や足先の「壊死」などの症状が出現します。この状態は、次で説明します重症下肢虚血という状態で、下肢切断に成ることが多いです。閉塞性動脈硬化症のある患者さんの症状のあるなしにかかわらず、治療の基本は、禁煙、生活改善、高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病に対する治療です。さらに間歇性跛行症状に対する治療は、薬物療法で効果のない場合は、カテーテル治療(ステント・バルーン拡張)やバイパス手術(自家静脈あるいは人工血管)を行います。最近では、カテーテル治療を行うことが多いですが、カテーテル治療とバイパス手術の両方の治療がおこなえる血管外科医が診療にあたるため、病気にあわせてベストの治療を選択します。さらに、カテーテルとバイパス手術を同時におこなうハイブリッド手術も積極的に行っています。

左腸骨動脈閉塞に対するステント治療の画像

浅大腿動脈閉塞に対するステント治療の画像

 

閉塞性動脈硬化症3 

 

 重症下肢虚血

閉塞性動脈硬化症の進行により生じます。多くは、全身状態が悪かったり糖尿病や腎不全(透析)を合併する方が多いです。前述しましたが、閉塞性動脈硬化症の進行による安静時痛や潰瘍・壊死は、重度な虚血状態であり「重症下肢虚血」と呼ばれます。喫煙、糖尿病、腎不全、生活習慣病がリスクとなりますが、足のタコ、ウオノメ、巻爪の処置から悪化して、足の壊疽になることも多いです。このような患者さんは、もともと元気がないこともあり、間歇性跛行の症状がなく、足の潰瘍、壊疽が初発症状となります。そのため、血液を充分に足先まで流すような処置を行わない限り、足を切断しなければならなくなる危険が非常に高い状態です。もちろん、血流だけでなく、糖尿病や腎不全の治療も必要です。

治療は、患者さんの全身状態と病状によりカテーテル治療とバイパス手術を判断します。さらに、血流を改善するだけでなく、壊死した部分の切断、除去(デブリドマン)なども必要になります。陰圧閉鎖療法、植皮を始めとした形成外科的創傷管理、全身栄養管理などと、痛みに対してブロック、神経挫滅手術、植皮などあらゆる手法を駆使し治療します。おそらく、ここまで血管外科でおこなっている、おこなえる施設は少ないと思われます。さらに、治癒した後も悪化させないことが重要で、早期からフットメディカルチームの介入があり、退院後もフットケア外来でフォローします。

重症下肢虚血に対するハイブリッド治療

 

重症下肢虚血に対するカテーテル治療

 

重症下肢虚血に対する集学的治療 

 

 フットケア外来

現在、フットメディカルチームができ、1年となります。足(脚)は、第2の心臓です。歩くことが人を元気にします。足がなおっても、悪くさせないことも重要です。足の潰瘍、壊疽、切断後の足。タコ、イボ、巻爪、むくんだ足。患者さんにあった靴(フットウエア)も大事です。金曜日にフットケア・糖尿病専門看護師が指導します。

 

お問い合わせ

地方独立行政法人埼玉県立病院機構 埼玉県立循環器・呼吸器病センター  

郵便番号360-0197 埼玉県熊谷市板井1696

ファックス:048-536-9920

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