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掲載日:2022年7月29日
動脈硬化が徐々に進行して起こる下肢動脈の病気は閉塞性動脈硬化症ですが、急に下肢動脈が詰まってしまう病気があります。これを、下肢急性動脈閉塞症といいます。多くは心臓の不整脈(心房細動など)により心臓に血栓ができ、その血栓が心臓から下肢動脈に流れ、下肢動脈に詰まってしまう状態です。下肢以外にも脳血管の場合は脳梗塞となります。腸を栄養する血管(上腸間膜動脈)がつまれば上腸間膜動脈塞栓症といわれます。
下肢急性動脈閉塞症では、急に下肢の血流が途絶えるため、下肢の痛み、脱力・麻痺、感覚低下、色調変化(紫色になる)などの症状が出現します。この病気では、急いで血栓を取り除き、血流を再開させることが大切で、遅くなれば足を切断する必要がでてきます。一般的に6時間以内に血流を再開しないと下肢切断や麻痺症状が残る場合があります。血液が流れない部分が多く、血栓除去までの処置に時間を要した場合には、虚血再灌流障害(コンパートメント症候群、腎不全、心停止、肺障害など)をおこし、重篤になる場合があります。
もともと閉塞性動脈硬化症のある患者さんが急速に血管がつまることもあります。このような患者さんは、閉塞性動脈硬化症の急性増悪ともいわれます。その場合には、側副血行(裏道のような血管)が発達しているため、急性動脈閉塞より症状が急激でないこともあります。
治療は、血栓除去術を基本としますが、閉塞性動脈硬化症の合併していることもあり、同時にカテーテル治療も行う場合も多いです。そのため、放射線を使用しながらイメージングをしながら処置をおこなう必要があります。決せ除去と同時にバルーン拡張・ステントを留置するハイブリッド治療が必要なこともあります。このような専門的治療を施設はまだ少ないかもしれません。
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