放射線治療センター
概要
- 悪性腫瘍を治療するには、手術による方法や、薬を使用する化学療法等がありますが、放射線治療では放射線を使用して治療します。
- 放射線は、一般的に危険というイメージがありますが、正常細胞よりも悪性腫瘍細胞が放射線に対して感受性が高いことを利用して、患部に放射線を照射することで、悪性腫瘍細胞に大きなダメージを与えることが出来ます。この性質を利用して治療することを放射線治療といいます。
- 今、コンピュータはあらゆる分野で活躍していますが、コンピュータの性能が飛躍的に向上したことで、放射線治療装置もここ10年の間に、数段の発達を遂げることが出来ました。今までは不可能と考えられていた照射が、コンピュータで制御された最新照射装置を利用することによりIMRT、VMAT、呼吸同期照射、定位照射(肺、脳)などが可能となりました。これらの照射法で、健康な組織へは放射線量を少なくし、腫瘍へはより多く放射線を照射できるようになりました。また、照射の位置決め精度向上についてはCBCT、ExactTrac(X線透視装置)の画像と治療計画CTとの画像照合により臓器の移動の誤差を修正するシステムが導入され高精度な放射線治療が可能となりました。
放射線治療の流れ
放射線治療には体の外から放射線をあてる外照射と放射線のでる粒子や細管を病巣に挿入する小線源治療とがあります。
最も患者数の多い治療法である外照射を例にあげます。
- 放射線腫瘍医による診察により照射方法や治療線量、照射回数(日数)が決定されます。治療計画CTの日程も調整します。
- 治療計画CT装置を用い、治療範囲周囲の位置情報を所得します。CT終了時には治療に関する位置座標マークを皮膚面や固定具表面に描き残します。(固定具とは、プラスチック樹脂性の治療部位固定のためのワクのような物で必要な患者さまには個別に作ることがあります。)
- 診察情報、およびCT画像情報を基に治療計画装置を使用し治療計画を立てます。
- 各外部照射装置に治療計画データを転送または入力します。
- 治療開始日には、患者さまに対し2で描き残している座標マークに位置を合わせて、実際の治療を設定します。さらに画像照合装置で位置確認をします。ここで治療開始となります。
※3)以降の治療の流れについては検討・検証時間を要することが多いため、通常は後日からの治療開始となります。
各種照射装置等紹介
外部照射装置

リニアック4 Novalis TX(ブレインラボ)
腔内照射装置
(JPG:28KB)
マイクロセレクトロンHDR-V3(千代田テクノル)
治療計画用CT
(JPG:35KB)
Optima CT580W(GE)2台
治療計画装置
- (1)RayStation(レイサーチ)
- (2)Precision(アキュレイ)
- (3)Monaco(エレクタ)
- (4)iPlan(ブレインラボ)
- (5)Pinnacle3(日立メディコ)
- (6)Oncentra(千代田テクノル)
構成人員
- 医師5名
- 看護師4名(パート含む)
- 放射線技師11名
- 医学物理士3名
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