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掲載日:2020年12月28日
「がん」は主に遺伝子が傷つくことで作られます。通常は遺伝子が傷つくと自然と修復されますが、その修復機能がうまく働かず傷ついた遺伝子の細胞が蓄積され、蓄積された細胞のかたまりが腫瘍になります。
腫瘍には良いもの(良性)と悪いもの(悪性)があり、悪いものを「がん」と呼びます。
私たちの体は、約37兆個もの細胞からつくられています。細胞の中には「核」と呼ばれる大切な部分があり、その中に遺伝子が入った「染色体」があります。ゲノムとは染色体に含まれるすべての遺伝子と遺伝情報のことをさします。
遺伝子は「染色体」の中のDNAという物質上にあります。
「遺伝子」は設計図の役割をしています。「遺伝子」という設計図をもとに人の体(手や足など)は作られています。
これまで「がん」の薬は発生した部位(例:胃や肺など)により決められていました。
「がんゲノム医療」は遺伝子パネル検査で「がん」の組織の中のたくさんの「遺伝子」を調べ、がんの原因となった「遺伝子」の情報をもとに薬を選択することでその人に合った効果的な治療ができると期待されています。
まずはがん遺伝子の特徴を調べるために「がんゲノムパネル検査」を行います。がんゲノムパネル検査を行うと、がん遺伝子の異常が見つけられることがあります。見つかった異常はレポートにまとめられて、専門家集団(エキスパートパネルといいます)でどのような治療薬が適しているか等の話し合いが行われます。そして、その結果が医師から患者さんに伝えられます。
がん細胞がもっている遺伝子の異常を調べる検査です。がん組織の細胞から遺伝子を取り出して、異常が起きやすいポイントを一度に100箇所以上調べます。遺伝子の異常を見つけ、個々のがんの特徴を把握したり、その異常に効く治療薬を選定することががんゲノムパネル検査の目的です。
ただし、この検査で必ず異常が見つけられるわけではありません。現在、より多くの異常が発見でき、より最適な治療薬を選べるようになるために日々研究が進んでいます。
まずは主治医へ相談してください。検査ができるかどうか主治医と相談したうえで検査にすすみます。
治療目的の検査のため、検診等などの目的で検査を受けることはできません。
がんゲノムパネル検査では手術や検査で採取した「がんの組織(細胞)」が必要です。がんの組織は手術した病院で保管してあることがほとんどです。また、がんゲノムパネル検査はいくつか種類があり、種類によっては「血液」が必要な場合もあります。詳細は主治医へ相談してみましょう。
患者さんのもとへ結果が届くまで約2、3か月かかります。
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