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掲載日:2024年6月18日
熱性けいれん、てんかんの子供は予防接種をうけても大丈夫か?
以前は、過去にけいれんの既往のあるお子さんは「予防接種禁忌(予防接種をしてはいけない者)」となっていましたが、94年の予防接種法の改正により「接種の際に注意を要する者」と変わり、現行の予防接種はすべて注意をすれば接種してよいことになりました。
予防接種を受けることは大変有益ですが、残念ながらそれによる副作用もあります。発熱などは比較的よくみられますし、重大な副作用も数は大変少ないですが報告はあります。しかし、その副作用をおこす確率は熱性けいれん、てんかんのこどもだから高いわけではなく、実際にその病気にかかったときに起こす後遺症の率と比較したら桁違いに低いものです。また以前の予防接種から比較すると改良されさらに少なくなっています。
熱性けいれん、てんかん発作のあるお子さんはないお子さんと比べて、予防接種で発熱がおこる場合に発作をおこす確率が高くなります。
発熱した場合は、ダイアップ坐薬をけいれん予防として使用することでたいていの場合は発作を防ぐことができます。したがって予防接種をする前に坐薬を用意しておくことをおすすめします。また、発熱に対して解熱剤の坐薬を併用していただいてもかまいません。(その場合、30分以上間隔をあけてください。)
予防接種で熱を出してそのためけいれんを起こしても、接種した方が長期的には有益だと考えています。しかし、発作をおこす危険性はゼロではありませんので、ご両親で相談していただいて納得された時点で、接種していただくのがよいと思います。
これには、きちんとしたきまりはありません。上記のような副作用もあることをご理解いただいて、お子さんの体の調子もだいたいいいだろう(具体的には、けいれんをおこした直後はお風邪などをひいている場合が多いので、風邪が完全になおったところで、まわりの風邪の流行が少ない)という時期に必要度の高い種類のものからご近所のお医者さまと相談してはじめていただくのがよいかと思います。また、予防接種をうった場合は数日間はお子さんの様子をよく見ていてください。
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