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掲載日:2022年9月14日

BNP外来(心不全外来)

BNP外来(心不全外来)設立のご案内とご紹介のお願い

超高齢化社会を迎え、心不全パンデミックが叫ばれるようになりました。現在2020年においては、約120万人の心不全患者さんが存在すると言われており、また「循環器疾患の診療実態調査(JROAD)」によれば心不全入院患者は毎年1万人ずつ増加し、またその死亡率も増加に転じております。

2000年代にACE阻害薬やβブロッカー、アルドステロン拮抗薬をはじめとする心不全薬が診療現場に普及して参りましたが、それでもなお、その勢いを止めることはできず、予後不良のままの状態が続いております(心不全の5年生存率は40%!)。処方の不徹底や心不全の原因診断の甘さなど、様々な理由が挙げられている一方、3種類の心不全新薬が実臨床の現場に登場してきており、希望の光も見えて参りました。

また最近は、高齢者やオペハイリスク患者さんに対する弁膜症診療も進んでおり、TAVI(タビ:経カテーテル的大動脈弁置換術)やMitra Clip(マイトラクリップ:経皮的僧房弁接合不全修復術)による心不全治療が当院でも多く行われてきております。

早期に診断し、新薬をはじめとする心不全薬を導入することは、予後改善のみならず、循環器疾患全体の年間費用の44%を占めると言われる、心不全入院診療費を抑えることにもなります。また、心不全によるうっ血から患者さんを解放し、心不全悪化を予防することは当センターの大切な役割であり、その先陣を切る形で当院にBNP外来(心不全外来)を設立することといたしました。

これまでにも、2017年より開始した弁膜症外来が有効に機能しており、外科的弁置換術やTAVIをはじめとする様々な弁膜症治療が多く行われてきました。今度は心不全、BNPという切り口で心臓病の早期発見に結び付けて参りたいと存じます。

BNPは日本人が発見したナトリウム利尿ペプタイドで、現在は心不全の早期発見に使われる代表的な検査です。別冊循呼ニュースの通り、BNP 100以上、NT-Pro-BNP400以上が循環器専門医の紹介基準になると言われており、学会のガイドラインでも推奨されております。

このBNP外来受診をして頂き、心不全の原因診断、治療方針が定まりましたら、ご紹介の先生に逆紹介、また当科でフォローが必要な事案であれば、連携して当科と先生方との2人主治医体制で診療にあたるメリットもございます。

近年は高齢化社会に伴い拡張不全(HFpEF:EFの保たれた心不全)も増加しており、心不全新薬のエビデンスも出て参りました。毎日2枠の予約枠(週10人枠)を設けましたので是非、新しい心不全の診断・薬・カテーテル治療・手術の恩恵をたくさんの患者さんが受けられるよう、皆さんのご紹介をお待ち申し上げております。

 

埼玉県立循環器・呼吸器病センター

循環器内科科長兼診療部長

宮本 敬史

 

別冊 循呼NEWS

別冊循呼ニュースBNP外来(心不全外来)新設します。
 2022年4月よりBNP外来が始まります。(PDF:1,121KB)

 

 

お問い合わせ

地方独立行政法人埼玉県立病院機構 埼玉県立循環器・呼吸器病センター  

郵便番号360-0197 埼玉県熊谷市板井1696

ファックス:048-536-9920

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