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掲載日:2025年5月1日
病理診断科のご紹介
病理診断科の主な仕事は、病理組織診断、細胞診断、病理解剖です。
病理組織診断は、病変部から採取された小片や、手術で摘出された病変部を切り出しながら肉眼的に観察し、さらに熟練した臨床検査技師によって、ミクロン(1000分の1ミリ、ティッシュペーパーより薄い)レベル、場合によっては更に薄く切られ、様々な顕微鏡(光学顕微鏡・電子顕微鏡・蛍光顕微鏡など)で詳細に観察します。それによって病気の種類やひろがり具合を診断し、治療方針を決定するための重要な情報を臨床医に提供します。
細胞診断は、脳脊髄液・胸水・腹水などの液状検体や病変部からわずかに採取された細胞を顕微鏡で観察することにより、そこに出現する細胞の種類や悪性の有無を判断します。
病理解剖は、不幸にしてお亡くなりになった方をご家族のご理解のもとで解剖させて頂くことにより死因の解明や病気・病態の詳細な検討をします。
小児期は人間の一生の中でもっとも発達成長を遂げる時期であり、このことは組織や臓器に置き換えても同じことがいえます。小児の疾患を病理組織学的に診断するには、発達過程にある組織・臓器の特徴を十分に理解した上で行うことが必要です。
当センターでは、小児腫瘍や先天的な疾患が多くを占め、通常の顕微鏡観察に加えて、免疫組織化学法・蛍光抗体法・電子顕微鏡などを積極的に用いた診断を行っています。また、in situ hybridizationやがん遺伝子パネル検査などの新しい技術も用いています。
小児疾患は多彩で難解な例が含まれますが、臨床医が早く適切な治療が開始できるように全国の小児病理医などとも情報交換を行いながら、正確で詳細な情報をより早くフィードバックするように努力しています。
項目 | 件数 |
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組織診件数 | 1,858件 |
術中迅速診断 |
75件 |
消化管生検
|
519件 |
骨髄生検 |
258件 |
腎生検(光顕・蛍光・電顕)
|
65件 |
肝生検
|
60件 |
肝移植に伴う摘出肝
|
8件 |
細胞診件数 | 585件 |
病理解剖件数 | 12件(院外1件) |
他施設からの診断依頼 | 17件 |
研究協力件数 (日本小児がん研究グループ中央診断) |
109件 (56件) |
術中迅速診断で得られる情報は、限られた所見ではありますが、術中に報告することにより、術式の変更など患者様にとって有益な医療に繋がっています。組織診の約3分の1に上る消化管生検では、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患が多くを占めます。腎生検では電子顕微鏡検査まで施設内で行っています。近年は肝移植の件数増加に伴い肝生検の診断が増えています。
この10年間で、当院の組織診断件数は1.5倍に増加、細胞診断件数は漸増、病理解剖件数は横ばいです。病理解剖では、遺伝科と連携して死後のゲノム検査(Genetic autopsy)も行っており、より詳細な病態や死因の解明に努めています。
氏名 | 渡辺 紀子 |
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役職 | 科長 |
専門(得意分野) | 小児病理 |
資格 | 病理専門医、細胞診専門医、病理専門医研修指導医、分子病理専門医、 日本病理学会学術評議員、日本小児がん研究グループ 病理診断委員会オブザーバー、死体解剖資格、医学博士 |
最終学歴(卒業年) | 新潟大学医学部(2001年(平成13年)卒) |
氏名 | 市村 香代子 |
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役職 | 医長 |
専門(得意分野) | 小児病理学 |
資格 | 病理専門医、細胞診専門医、病理専門医研修指導医、死体解剖資格、医学博士 |
最終学歴(卒業年) | 東京大学大学院博士課程(2016年(平成28年)卒) |
氏名 | 村上 仁彦 |
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役職 | 応援医師 |
資格 | 病理専門医、小児科専門医 |
氏名 | 中野 夏子 |
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役職 | 応援医師 |
資格 | 病理専門医、細胞診専門医 |
氏名 | 入江 理恵 |
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役職 | 応援医師 |
資格 | 病理専門医、細胞診専門医 |
氏名 | 西巻 はるな |
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役職 | 応援医師 |
資格 | 病理専門医、細胞診専門医 |
その他スタッフ | 臨床検査技師(細胞検査士)3名 |
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小児病理に興味がある又は研鑽を積みたい病理医の方への見学・相談を随時受け付けています。興味のある方は、下記のEメールアドレスまでご連絡ください。
埼玉県立小児医療センター 病理診断科 科長 渡辺 紀子
E-Mail:watanabe.noriko(at)saitama-pho.jp
※自動メール送信対策のため、メールアドレスの表記を変更しております。お手数ですが、(at)を@に置き換えてご送信ください。@は半角文字を使用してください。
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