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掲載日:2024年5月22日
病理診断科のご紹介
病理診断科は、平成20年4月1日より医療機関の標榜診療科に加えられました。
病理診断科の主な仕事は、1.病理組織診断、2.細胞診断、3.病理解剖です。
小児期は人間の一生の中でもっとも発達成長を遂げる時期であり、このことは組織や臓器に置き換えても同じことがいえます。小児の疾患を病理組織学的に診断するには、発達過程にある組織・臓器の特徴を十分に理解した上で行わなければならないと日頃から考えております。
当センター病理診断科では、神経芽腫・腎芽腫・肝芽腫に代表される腫瘍性疾患やヒルシュスプルング病に代表される消化管奇形病変など小児特有の疾患の診断をするにあたり、通常の顕微鏡観察のほかに免疫組織化学的手法・酵素組織化学的手法・蛍光抗体法などを用いて診断しております。また、感染免疫科などと協力し先天性および後天性感染症(ウイルス・細菌等)の診断にはin situ hybridizationなどを用いております。
さらに、光学顕微鏡で観察し得ない細胞の微細構造の異常について、電子顕微鏡を用いて詳細な検討を加えより詳しい診断を行っております。
小児疾患には難解な例も多いのですが、臨床医が早く適切な治療が開始できるように全国の小児病理医や一般病理医と情報交換を行い正確で詳細な情報をより早くフィードバックするように努力しております。
2023年度(令和5年度)診療実績
項目 | 件数 |
---|---|
組織診件数 | 1,755件 |
術中迅速診断 |
54件 |
肝生検
|
83件 |
腎生検(光顕・蛍光・電顕) |
68件 |
消化管生検
|
490件 |
他施設依頼
|
20例 |
細胞診件数 | 436例 |
病理解剖件数 | 10例(院外1例) |
術中迅速診断では、小児がんやヒルシュスプルング病が多く、限られた所見からの暫定的な病理診断にはなりますが、術者へ迅速に報告することにより、術式の変更など患者さんにとって有益な医療に繋がっています。組織診の約3分の1に上る消化管生検では、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患が多くを占めます。腎生検では電子顕微鏡検査まで施設内で行っています。
また、近年は肝移植の件数増加に伴い肝生検の診断が増えています。このように、多様な小児疾患について病理診断を行っています。
病理解剖では、遺伝科と連携して死後の遺伝検査(Genetic autopsy)を行う場合もあり、より詳細な病態や死因の解明に努めております。
氏名 | 渡辺 紀子 |
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役職 | 科長 |
専門(得意分野) | 小児病理 |
資格 | 病理専門医、細胞診専門医、病理専門医研修指導医、分子病理専門医、 日本病理学会学術評議員、日本小児がん研究グループ 病理診断委員会オブザーバー、死体解剖資格、医学博士 |
最終学歴(卒業年) | 新潟大学医学部(平成13年) |
氏名 | 市村 香代子 |
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役職 | 医長 |
専門(得意分野) | 小児病理学 |
資格 | 病理専門医、死体解剖資格、医学博士 |
最終学歴(卒業年) | 東京大学大学院博士課程(平成28年) |
当科では小児病理に興味がある病理医の見学・相談を随時受け付けています。下記のEメールアドレスまでお気軽にご連絡ください。
埼玉県立小児医療センター 病理診断科 科長 渡辺 紀子
E-Mail:watanabe.noriko(at)saitama-pho.jp
※自動メール送信対策のため、メールアドレスの表記を変更しております。お手数ですが、(at)を@に置き換えてご送信ください。@は半角文字を使用してください。
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