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掲載日:2024年7月18日
胃がんは、日本を含めた東アジアに多く、日本の最近の統計(国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」)において、年間で124,319人(2019年)の方が新たに罹患され、42,319人(2020年)の方が亡くなっています。「腺癌」というタイプの腫瘍が一般的です。
診断方法としては、上部消化管内視鏡検査、全身CT検査やPET検査などを行い、病状の進行(ステージング)を評価します。胃がんの治療では、内視鏡治療、外科治療、抗がん剤治療などが行われますが、ステージングや患者さんの全身状態、合併症、社会的な背景などに応じて、最適な治療を提案しております。手術前後の抗がん剤治療や外科治療(原発巣切除、バイパス術など)が必要な患者さんに関しては、消化器外科と緊密に連携を取り合いながら治療を行っています。
消化器内科では、手術可能な患者さんの術後再発するリスクを減らすために手術前後の抗がん剤治療と、転移や再発をきたした患者さんの症状や予後の改善を目的とした抗がん剤治療を主に担当しております。また、内視鏡部では、早期の胃がんに対して侵襲の少ない内視鏡治療(内視鏡的粘膜下層剥離術)を積極的に行っています。
治療抵抗となった切除不能・再発胃がんに対して、免疫チェックポイント阻害薬であるニボルマブ(オプジーボⓇ)が2017年に承認されました。しかし、通常の副作用が少ない一方で、免疫に関連した独特な副作用が少なからず認められることから、経時的なモニタリングや専門的な副作用対策が必要とされています。当院では免疫関連の副作用に対して、院内で対策チームを結成し、診療科横断的に情報の共有と副作用対策の統一化を図っております。ニボルマブの使用経験のない病院や、免疫関連の有害事象に対する対策が難しい病院からご紹介を受けています。また、がん細胞の表面にHER2(ハーツー)というタンパクが多く発現しているHER2陽性の胃がん患者さんに対して、トラスツズマブ デルクステカン(エンハーツⓇ)が、新たに2020年に国内承認されました。HER2を標的とした抗体薬(トラスツズマブ)と抗がん剤(デルクステカン)が結合した新たな薬剤であり、まだ使用経験がない医療施設から、当院へご紹介いただくことも可能です。
【胃がんの抗がん剤治療(化学療法)を受けた患者さんの人数(消化器内科)】
2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
|
術前化学療法 |
3 |
0 |
6 |
2 |
0 |
術後化学療法 |
15 |
15 |
20 |
14 |
16 |
1次化学療法 |
90 |
57 |
69 |
72 |
54 |
2次化学療法 |
58 |
68 |
59 |
52 |
51 |
3次化学療法 |
28 |
45 |
41 |
28 |
29 |
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