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掲載日:2024年7月18日
食道がんは、日本の最近の統計(国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」)において年間で26,382人(2019年)の方が新たに罹患され、10,981人(2020年)の方が亡くなっています。日本においては、「扁平上皮癌」というタイプの腫瘍が日本に多く、「腺癌」というタイプは少ない傾向にあります。発症のリスク因子として、喫煙や飲酒との関連が報告されています。
診断方法としては、上部消化管内視鏡検査、超音波内視鏡検査、全身CT検査、PET-CT検査などを行い、病状の進行(ステージング)を評価します。食道がんの治療では、内視鏡治療、外科治療、抗がん剤治療、放射線治療などが行われます。ステージングや患者さんの全身状態、合併症、社会的な背景などに応じて、最適な治療を提案しています。また、食道がんは頭頸部(咽頭、喉頭、舌など)のがんを併発することがあり、頭頸部外科、消化器外科、放射線治療部、口腔外科、形成外科と連携し、個々の患者さんについて治療方針の検討を行っています。
消化器内科では、★手術可能な患者さんの術後再発するリスクを減らすために手術前後の抗がん剤治療を、手術が難しい患者さんに対して根治を目的とした放射線化学療法(放射線+抗がん剤治療)を、転移や再発をきたし根治が難しい患者さんの症状や予後の改善を目的とした抗がん剤治療を主に担当しております。最近のトピックとして、切除不能・再発の食道がんにおいても、免疫チェックポイント阻害薬(ニボルマブ(オプジーボR)、ペンブロリズマブ(キートルーダR))が2020年に国内承認されました。免疫に関連した独特な副作用が少なからず認められることから、まだ使い慣れていない医療施設から当院にご紹介をいただくことも可能です。
内視鏡部では、食道表在がんに対して内視鏡および超音波内視鏡を用いて精密な診断を行い、侵襲の少ない内視鏡治療(内視鏡的粘膜下層剥離術: ESD)を積極的に行っています。
★消化器内科では、手術可能な患者さんの術後再発するリスクを減らすために、腫瘍を小さくしてから手術をするための術前化学療法(抗がん剤治療)または、放射線+化学療法を行います。手術が難しい患者さんに対しては、根治を目的とした化学放射線療法(放射線+化学療法)を行います。転移や再発をきたし根治が難しい場合は症状や予後の改善を目的とした化学療法を主に担当しております。
【食道がんの術前化学療法と放射線+化学療法(CRT)を受けた患者さんの人数(消化器内科)】
2019年 |
2020年 |
2021年 |
2022年 |
2023年 |
|
術前化学療法(FP)、(DCF) |
36 |
31 |
20 |
17 |
29 |
放射線+化学療法 |
38 |
43 |
34 |
38 |
37 |
【食道がんステージⅣの化学療法治療を受けた患者さんの人数(消化器内科)】
2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
23 |
33 |
14 |
26 |
14 |
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