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掲載日:2025年2月20日
患者さんの体から取り出された臓器・組織、細胞について肉眼や顕微鏡で観察し、病気の診断を行う検査です。また、昨今では病理材料を用いて遺伝子検査も行われるようになりました。検査の対象となる材料や方法の違いによって以下のように分けられます。
身体より得られた細胞を調べる検査です。喀痰、尿、胸水中などの剥がれ落ちた細胞や、病変部から直接採取された細胞をスライドガラスに薄く塗りつけて染色標本を作ります。その標本を顕微鏡で観察し、おもに悪性(ガン)細胞の有無を検査します。細胞の採取にはメスなどによって切開する必要がなく、患者さんの負担が軽いことが特徴です。
この検査は細胞検査士の資格をもつ臨床検査技師が担当しています。スクリーニング(顕微鏡での観察)により異常な細胞を見つけ出し、良性あるいは悪性の細胞なのかを判定します。さらにその細胞から推定される病変について、病理医(細胞診指導医)とともに細胞診断を行っています。
内視鏡や手術などにより取り出された臓器・組織を調べる検査です。肉眼と顕微鏡標本の観察により、病気の種類や原因について病理医が診断を行います。ガンなどの悪性腫瘍の診断には欠かせない検査となっています。検体の種類により生検と手術材料の検査があります。
生検とは、気管支鏡などにより採取された組織片(小さいものはごま粒大)から、病気の種類を確定診断する検査です。その後の治療法を決めるのに重要な情報となります。
手術材料の検査では、病気の種類についてさらに詳しい病理組織診断を行います。病変の大きさや広がり、完全に取りきれているかどうか、ガンの場合には悪性度や転移の有無などを調べます。
それにより病期や予後が確定し、術後の治療方針が決定されます。
この検査の顕微鏡標本の作製は、臨床検査技師が担当しています。組織や細胞の微細構造を観察できるように、組織を厚さ3ミクロン(1mmの3/1000)程度に薄く切ります.それをスライドガラスに貼り付け、色素で染色して顕微鏡観察用の標本を作ります。必要に応じて多種の特殊な染色や免疫染色を実施します。
手術中に取り出された病変組織から、短時間(10~20分)で迅速に病理組織診断を行う検査です。組織を急速に凍結させて薄く切り、すばやく染色標本を作ります。その標本を顕微鏡で観察し、病変について悪性(ガン)か否か、完全に取りきれているかなどを判断します。それにより、追加切除の必要性を示したり、逆に過度な切除を防いだりすることができます。
不幸にして亡くなられた患者さんのうち、ご遺族の承諾が得られた場合に病理解剖を行っています。これにより病気の本態や原因、診断及び治療効果の究明ができます。病理解剖は今後の医療の向上に結びつく重要な役割を果たしています。
肺がんではEGFR 遺伝子変異、ALK 融合遺伝子のほか、さまざまな遺伝子変異ががん化に関与していることがわかってきています。現在、肺がんではこれら遺伝子変異をターゲットとした治療法のほか、がん免疫療法など次々に新しい治療法が導入され、患者さん1人ひとりに合った治療を考える「個別化治療」が行われています。これらがん遺伝子遺伝子・染色体及び細胞性免疫検査を実施する場合は、主に病理に提出された組織や細胞を用いて行われます。以前に採取した材料からでもパラフィンブロックとして保存してあれば検査は可能です。当センター病理では臨床のニーズに応えるべく、院内で実施可能ながん遺伝子遺伝子・染色体及び細胞性免疫検査項目を増やし、報告日数の短縮化を図って患者さんへの治療へ貢献しています。
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