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掲載日:2022年4月5日
胃がん、食道胃接合部がん、胃粘膜下腫瘍など
胃外科 |
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川島・江原 |
科長/昭和59年 群馬大学卒/群馬大学総合外科学
専門 |
食道癌・胃癌の外科治療、栄養サポートチーム |
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資格 |
日本外科学会 専門医・指導医 日本消化器外科学会 専門医・指導医・消化器がん外科治療認定医 日本消化器病学会 専門医・指導医 日本食道学会 食道科認定医 日本消化管学会 専門医・指導医 日本臨床外科学会 評議員 日本がん治療認定機構 がん治療認定医 日本臨床栄養代謝学会 認定医 日本医療機能評価機構 クオリティマネージャー 医学博士 ベストドクターズ社による「The Best Doctors in Japan」選出 |
副部長/平成9年順天堂大学卒/虎の門病院 消化器外科
専門 |
食道がん・胃がんの外科治療、特に胃がんの腹腔鏡及びロボット手術 |
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資格 |
日本外科学会 専門医・指導医 日本消化器外科学会 専門医・指導医・消化器がん外科治療認定医 日本内視鏡外科学会 技術認定医・評議員 日本内視鏡外科学会 ロボット支援手術認定プロクター(消化器・一般外科) 日本胃癌学会 代議員 日本食道学会 食道科認定医 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医 厚生労働省 臨床研修指導医 医学博士 日本医師会認定産業医 関東腹腔鏡下胃切除研究会世話人 ベストドクターズ社による「The Best Doctors in Japan」選出 |
レジデント/平成23年 旭川医科大学卒
専門 |
外科 |
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資格 |
日本外科学会 外科専門医 |
レジデント/平成21年東海大学医学部卒
専門 |
消化器外科 |
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資格 |
日本外科学会 専門医 |
※切除可能な胃がん115例のうち、90例(78%)は腹腔鏡・ロボット手術でした。
胃癌は日本人が濃い塩分の食事を好んだことや、ピロリ菌感染者が多かったことから、死亡者数1位の癌でした。近年では、検診の普及や食生活の変化、喫煙率の低下、ピロリ菌の除菌などもあり減少傾向にありますが、2020年時点では男性3位、女性4位、総数では大腸癌についで2位の罹患率(診断されて治療をおこなった人数)となっています。また発見される胃癌の半数以上が早期胃癌であり、検診の重要性は変わっていません。
胃外科グループでは胃癌と胃粘膜下腫瘍の手術を中心におこなっています。治療方針は日本胃癌学会の胃癌ガイドラインおよび当院での治療成績に沿って決定しています。治療の特徴は以下となっています。
リンパ節転移の可能性がない早期胃癌に関しては、消化器内科と連携して胃カメラによる粘膜切開剥離術(ESD)をおこなっています。胃カメラで治療できない早期胃癌に関しては腹腔鏡下手術、進行胃癌には腹腔鏡手術と開腹手術、胃癌が膵臓や脾臓、肝臓などの周囲臓器におよんでいる場合は、従来の開腹や開胸で大きく臓器を切りとる手術もおこなっています。
腹腔鏡手術(ふくくうきょうしゅじゅつ)とは“腹腔鏡”というハイビジョンカメラでおなかの中を見ながらおこなう手術です。カメラとモニターによる拡大視効果があるため繊細で緻密な手術が可能となります。また非常に小さなキズで手術をするために、従来の開腹手術と比較して元気になるのが早く、術後から退院までの入院期間は短縮し、社会復帰も早くなります。(近年われわれが力を入れている、“手術支援ロボットによる胃癌手術”も同じ腹腔鏡手術として分類されます)
2011年より導入した腹腔鏡手術は、2022年末までに1200例以上、ロボット胃癌手術は160例以上を経験しております。この症例数は関東および全国でも上位の症例数です。
また当院における腹腔鏡による胃癌手術の合併症発生率は、日本内視鏡外科学会の全国アンケート調査1)と比較しても低く、安全かつ確実な腹腔鏡手術が行われていると自負しております。そしてこれまでの治療成績をもとに、腹腔鏡手術の適応を進行胃癌に対しても適宜拡大しています。当院では現在、腹腔鏡による胃癌手術はStage Ⅲまで、つまりT4a(漿膜に露出する深さ)でN+(リンパ節転移を伴うもの)を適応としています。ただし8cmを越える大型の胃癌に関しては従来通り開腹での手術となります。
胃の術後におきやすい栄養障害やダンピング症状などを軽減するために、逆流防止機構を付加した噴門側胃切除など、胃機能を温存する手術も腹腔鏡手術でおこなっています。
手術後に再発の可能性が高い患者様には外来通院しながらの予防的な抗がん剤治療を行っています。再発もしくは外科的に切除が難しい患者様に関しては消化器専門の腫瘍内科へ御紹介させていただいております。腫瘍内科は抗癌剤治療の専門家であり、キャンサーボードと呼ばれる外科や放射線科とのカンファレンスを定期的に開催することで患者様一人ひとりに適した治療を提供しています。
患者様の痛みや精神的な苦痛に対しては緩和ケア科や精神腫瘍科が対応しています。日常生活に支障を来さないような痛み止めや精神安定剤の使用法に精通しており、患者様や御家族の苦痛を和らげるための治療と環境を提供しています。
患者様の御協力を得ながら、日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)の大規模臨床試験を数多くおこない、地域のがんセンターとして情報発信をおこなっています。治験とは臨床試験であり、国内のたくさんの施設が参加しておこなう臨床研究を意味します。たとえば手術だけでは根治が難しい患者様に対する、免疫チェックポイント阻害剤や分子標的薬などの新規抗癌剤治療や、進行胃癌に対する腹腔鏡手術や手術支援ロボットによる胃癌手術などがこれにあたります。これらは将来に向けて、治療戦略を構築するための大切な臨床研究となります。
胃外科としては、2014年5月から“手術支援ロボットによる胃癌手術”を倫理委員会の承諾を得た上で自主臨床試験として開始し、2016年2月からは厚生労働省に承認された“先進医療”に参加して参りました。2018年4月からは保険診療として手術を行っております。
これまで当院でおこなった手術支援ロボットによる胃癌手術の症例数は、2022年3月の時点で160名を超え、国内でも上位の症例数となっております。なお、手術支援ロボットによる胃癌手術は、先進医療の結果から“術後合併症を減らすことのできる低侵襲手術である”ことが証明されております2)。
また2019年より“大彎に浸潤する胃上部進行胃癌に対する腹腔鏡下脾温存脾門郭清の安全性に関する第II相試験(JCOG1809)”を、2020年からは“cT1-2N0-2胃癌におけるロボット支援下胃切除術の腹腔鏡下胃切除に対する優越性を検証するランダム化比較試験(JCOG 1907)” を開始しています。
7.我々は診断、手術、抗がん剤治療、再発治療、終末期治療まで、患者様各個人に合わせた最適な治療を提供しています。胃癌と診断された場合は一度御相談ください。
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