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掲載日:2022年2月18日

Q&A

 Q1:家族に大腸がんの人が多くて心配です。

A:遺伝性の大腸がんでは、血縁者に複数の大腸がん患者がいる、若年発症、多発がん(同じ臓器に複数のがんができる)、重複がん(大腸とは別の臓器にも原発がんができる)といった特徴がみられます。もし、ご家族にこれらの特徴がみられる場合、遺伝性の大腸がんの可能性があります。診断を予測する上で、ポリープの数、大腸がんの場所、病理所見(細胞の形や組織の構造)なども重要な情報になります。主治医や遺伝の専門家(臨床遺伝専門医、認定遺伝カウンセラー)に相談することをおすすめします。

 Q2:遺伝性大腸がんにはどんなものがありますか?

A:遺伝性大腸がんには、数百から数千個のポリープ(放置しておくと、将来がんになる可能性がある隆起物)ができるタイプと、ほとんどできないか少数のポリープを認めるタイプがあります。リンチ症候群は、後者のタイプです。

これまでの研究から大腸がん全体の約5〜10%が“遺伝性”であると考えられていて、次のような種類があります。

遺伝性大腸がんの種類

主たる臨床症状

関わる遺伝子

リンチ症候群

大腸がん、子宮内膜がん

小腸がん、泌尿器のがん

MLH1遺伝子

MSH2遺伝子

MSH6遺伝子

PMS2遺伝子

EPCAM遺伝子)

家族性大腸腺腫症 (FAP)

大腸ポリープ、大腸がんなど

APC遺伝子

MUTYH関連ポリポーシス(MAP)

大腸ポリープ、大腸がんなど

MUTYH遺伝子

ポイツ・イェーガー症候群

大腸ポリープ、大腸がんなど

STK11(LKB1)遺伝子

若年性ポリポーシス

大腸ポリープ、大腸がん、

子宮内膜がんなど

BMPR1A遺伝子

SMAD4遺伝子

リ・フラウメニ症候群

肉腫、脳腫瘍、白血病、

副腎皮質がん、乳がん、大腸がんなど

TP53遺伝子

カウデン症候群

乳がん、甲状腺上皮がん、子宮内膜がん、

巨頭症、大腸ポリープ、大腸がんなど

PTEN 遺伝子

ポリメラーゼ校正関連ポリポーシス(PPAP)

大腸ポリープ、大腸がん、

子宮内膜がん、乳がん、脳腫瘍など

POLD1遺伝子

POLE遺伝子

 

 Q3:どんな時にリンチ症候群を疑いますか?

A:以下の3項目を「3-2-1ルール」といい、あてはまる項目が多いほどリンチ症候群の可能性が高くなります。

  • 親・子・兄弟姉妹に少なくとも3人の大腸がん*患者さんがいる
  • 少なくとも2世代にわたって発症している
  • 少なくとも1人は50歳未満で大腸がんと診断されている

*大腸がん以外に子宮内膜がん(子宮体がん)、腎盂尿管がん、小腸がんでもよい。

 Q4:大腸がんの予防に有効な生活習慣は?

A:遺伝性の大腸がんに対する、最も効果的な予防は、大腸内視鏡検査にて定期的に検査を受け、前がん病変や早期のがん病変を内視鏡的に摘除することです。

また、一般的な大腸がんにおいては、喫煙、体脂肪、アルコール消費、食事(赤身肉、加工肉、野菜、果物、魚、乳製品、食物繊維)などに関する検討と報告がなされています。

このうち、喫煙と体脂肪に関しては、発がんとの関連性があるとする研究を含む複数の報告があります。

リンチ症候群に特化した有効な生活習慣については、明確な報告がありませんが、大腸癌研究会の多施設共同研究の結果から、喫煙はリンチ症候群の同時性・異時性大腸多発がんのリスク因子になることが示唆されています。現時点のエビデンスから、リンチ症候群の大腸発がんに対しては、禁煙や適切な体脂肪のコントロールが推奨されます。

またアスピリンを服用することにより、リンチ症候群関連腫瘍の発生を予防する効果があるとの研究報告があります。ただし、副作用を伴うこともあるため、必ず主治医に相談するようにしてください。

お問い合わせ

地方独立行政法人埼玉県立病院機構 埼玉県立がんセンター   腫瘍診断・予防科

郵便番号362-0806 埼玉県北足立郡伊奈町小室780番地 埼玉県立がんセンター

ファックス:048-722-1129

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