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掲載日:2024年7月8日
まず、「療育」についてですが、発達のゆっくりなお子さんに対して、将来自立して生活できるよう、医療機関や専門的な教育機関と連携しながら、お子さんに合わせたトレーニングを行うことを指し、「療育」を行う場所を「療育センター」「発達支援センター」などと呼びます。埼玉県には地域ごとに「中核発達支援センター」「地域療育センター」があり、それ以外にも療育施設があります。ご家庭でできることなどについては、実際通い始めてから、療育の先生方とご相談になるかと思います。
概ね3歳前後から利用が可能となる施設が多いです。中には0歳時から対応可能な施設もありますが、お子さんの病状や体調、ご家族の状況に合わせて、医師とも相談しながら開始時期を検討してください。
他のお子さんとの関わりは、お子さんにとっても大切な経験になると思います。ただ、お子さんの体の状態、発達の状況によって、様々なサポートが必要な場合がありますので、主治医の先生や、児童デイのスタッフの方とよくご相談の上、ご検討頂ければと思います。また、お子さんの発達段階にあった場所が、その時に最もお子さんが伸びる場所であることも多いので、複数の選択肢がある場合には、見学などをしてお子さんが楽しく過ごせそうな場所かどうかをご検討ください。
毎日一緒にいると、ちょっとした変化が分かりにくいこともありますよね。遺伝科への受診は、月に1回から、数か月に1回かと思いますので、その時にお会いするお医者さんのほうが、お子さんの変化に気づきやすいかも知れません。受診時に尋ねてみてくださいね。
笑顔が出てきているということは、人の顔によく反応する時期になってきたのだと考えます。人との関係の方がお子さんとしては楽しくなってきたため、自分だけで声を出して遊ぶことが減ってきたのではないかと考えます。今後、他の人への発声が増えてくれば、あまり心配ないと思いますので、お子さんの声に合わせて、一緒に声をかけたり、話しかけたりしてあげてくださいね。
なかなか難しい問題だと思います。今すぐの話としては、すぐに受け入れてもらえなさそうだと分かっているのであれば、あまりこちらから積極的にアプローチはしなくてもよいかと思います。今は、同じダウン症の仲間たちと、日々の困りごとなどを相談し合えるのが一番だと思います。
一口に「ダウン症候群」と言っても、それぞれのお子さんの特徴は千差万別です。そのため、今の段階では、お母さんお父さんが、お子さんの特徴をしっかりつかんで頂くことが大切になると思います。
そのうえで、お子さんが成長する中で、毎日のかかわりが深い方などには、お子さんのことについて、伝えていくことができるとよいのではないかと考えます。
「バンザイ」「パチパチ」とこちらが言うと、お子さんがその身振りをしてくれるということであれば、2つの言葉の意味は理解しているということになります!この時点で、これから言葉を身につけていく基礎が段々できてきているということです。
この「基礎」というのは、言葉をしゃべる前に、実際のものや出来事と、お母さんやお父さんが発する言葉をお子さんが少しずつ対応させていき、それを理解していく段階のことで、実際に「単語を話す」ようになる前の段階です。この「基礎」がしっかりできないと、「単語を話す」ことは難しいので、今は、生活の中で「ごはんだねー」「ごはんおいしいねー」「お風呂あったかいねー」「きれいきれいになるねー」などと、生活場面に関係する言葉かけをしていくことで、まずは「基礎」固めをしっかり行っていただくことが大切な時期だと考えます。また、日本語には「もぐもぐ」「ぽちゃぽちゃ」「ないない」などといった擬音語、擬態語がたくさんあります。こうした動作や様子を表す繰り返し言葉を多く使うことも、「基礎」固めに有効です。「ママ」「パパ」などの単語や、「バナナ」の「バ」や、「リンゴ」の「ゴ」などの単語の始めや終わりの部分を言い始めれば、いずれきちんとした単語を言うようになると思います。
夜泣きの可能性として挙げられるのは、
などです。
また、夜泣きで起こされ、特にお母さんがイライラしてしまったり、調子を崩してしまったりすることもありますので、お母さんご自身のリラックス法や快眠法を見つけておくのも大事だと思います。
多くの場合、時期がきたらおさまっていきます。お子さん自身がひとりで遊べる遊びの種類が増えてくると、このような行為は自然に減っていきます。しかし、その時期まで待つのもどうかと悩んでしまいますね。髪の毛は子どもにとって握りやすく扱いやすいこと、そして引っ張った時の抵抗感が面白いことなどが、この遊びを好む理由としてあげられます。年齢的にイタズラをしようと企てているわけではありません。メガネを取ると、メガネを着けていたパパの顔が変化すること、メガネを取られた瞬間のパパの反応が面白いなど、人の反応を期待しての行動とも捉えられます。
対応としては、まずはお子さんとの距離に配慮しながら髪の毛やメガネに触れられないように注意することが大切です。髪の毛を引っ張ったことを怒るよりも、事が起こらないようにしてあげてください。またゴム紐や平ゴムなど髪の毛に見立てた簡易なおもちゃで一緒に遊び、遊びの欲求を満たしてあげることが解決への道のひとつとなるかも知れません。上手に引っ張ることが出来たら、分かりやすく褒めてあげることが効果的です。一方で髪の毛やメガネに触られたとしても、おおげさに反応しないようにすると、お子さんにとっての面白さが半減し、徐々に困った行動が減っていきます。
お子さんにとって、お母さんの顔や顎は安心できる遊びの対象になりやすいのだと思われます。乳幼児期において、乱暴・凶暴に見えることの理由のひとつに、手先や体の使い方において、力の加減や調整ができないことが挙げられます。人の顔を触るとき、どの程度の力で触るのが優しいのか、どの程度の力で握ると相手が痛いのか、乳幼児期はそれを学習している段階ですので凶暴化しているわけではありません。お子さんの成長とともに、お母さんが痛がっているという状況を察し、加えて力の加減もできるようになるので年齢とともに問題は解決していきます。しかしながら乳幼児期は、子ども自身の感情とお母さんの感情が完全に分けきれないため、お母さんの痛みには気がつきにくいことも多くあるものと思われます。そして触りたい・噛みたいという遊びの欲求が優先するので身勝手に見えることが多い時期とも言えます。
頭をごんごんと床に打ち付ける行動は定型発達のお子さんにも見られる行動で、過剰に不安になる必要はありませんが、頭や額から出血するほど打ち付けている場合、あるいは、その行為が日常的に強い場合には遺伝科の先生にご相談ください。この行動にはいくつかの理由が考えられます。また理由はひとつとは限らない場合があります。
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