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掲載日:2022年9月6日
前立腺がんの治療目的で実施するBRCA1/2遺伝子検査について
前立腺がんの治療では、まず、内分泌療法(ホルモン剤を用いた治療)が行われます。しかし、一部の前立腺がんでは、内分泌療法の効果が薄れて、効かなくなってしまいます。これを去勢抵抗性前立腺がんといいます。その場合、次に使う薬として、抗がん剤と分子標的治療薬(PARP阻害薬)があります。PARP阻害薬が使用できるのはBRCA1/2検査で陽性の方(検査を受けた方の10%程度)に限られます。
当センターにおいても、去勢抵抗性前立腺がんに対して、BRCA1/2検査を実施しております。検査は3種類あります。抗がん剤治療前の場合には、血液を用いたBRCA1/2検査(①BRACAnalysis診断システム 保険適応3割負担で60,600円)を行います。
抗がん剤で治療中または、すでに終了している方、あるいは抗がん剤治療を希望しない方の場合には、組織を用いた②FoundationOne検査(保険適応3割負担で168,000円)あるいは血液を用いた検査①BRACAnalysis診断システム、③FoundationOneLiquidのいずれの検査でも実施可能ですが、腫瘍組織がある場合は、腫瘍組織を用いた検査が推奨されます。
①BRACAnalysis診断システム
検体:血液
適応条件:去勢抵抗性前立腺がん(抗がん剤治療が未実施で、今後予定されている方)
結果:正常な細胞(血液中)のBRCA1/2遺伝子を解析します。陽性の場合、PARP阻害剤が適応となります。
期間:検体提出後、2-3週間程度
費用:20200点
保険診療3割負担の場合、60,600円別途診察料等がかかります。
②FoudationOneCDxがんゲノムプロファイル
検体:腫瘍組織(生検もしくは手術検体)
適応条件:去勢抵抗性前立腺がんで、抗がん剤治療中、または実施済み、あるいは抗がん剤治療を希望していない方
結果:がんのBRCA1/2遺伝子を含む324の遺伝子を解析します。BRCA1/2遺伝子が陽性の場合にPARP阻害剤が適応となります。その他の遺伝子の情報からも、効果が期待できる薬剤の使用を検討します。
機関:腫瘍組織の検体提出後、5~7週間程度
費用:56000点
検体提出時(44000点)、結果返却時(12000点)の2回に分けて算定されます。
保険診療3割負担の場合、検体提出時132,000円、結果返却時36,000円別途診察料等がかかります。
③ FoudationOneLiquidCDxがんゲノムプロファイル
検体:血液(血液中に存在する腫瘍細胞の遺伝子を調べる)
適応条件:去勢抵抗性前立腺がんで、抗がん剤治療中、または実施済み、あるいは抗がん剤治療を希望していない方(適切な保存検体がなく、新たな採取も難しい)
結果:がんのBRCA1/2遺伝子を含む324の遺伝子を解析します。BRCA1/2遺伝子が陽性の場合にPARP阻害剤が適応となります。その他の遺伝子の情報からも、効果が期待できる薬剤の使用を検討します。
期間:血液検体提出後、4~6週間程度
費用: 56000点
検体提出時(44000点)、結果返却時(12000点)の2回に分けて算定されます。
保険診療3割負担の場合、検体提出時132,000円、結果返却時36,000円別途診察料等がかかります。
お問い合わせ
がんゲノム医療センターまたは地域連携室(平日9時~17時)
電話:048-722-1111(内線5218)
FAX:048-723-0851
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