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埼玉県立がんセンター > 臨床腫瘍研究所 > 研究所プロジェクト紹介 > 乳癌内分泌療法の耐性機序の解明

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掲載日:2021年9月3日

乳癌内分泌療法の耐性機序の解明

担当: 山口ゆり

 

 エストロゲン受容体(ER)陽性の乳癌では、エストロゲンがERを活性化して乳癌の発生、進展を促進するため、この経路を断つ内分泌療法が有効となります。閉経後乳癌では乳癌組織の局所でアロマターゼという酵素によりエストロゲンが産生されるため、これを阻害するアロマターゼ阻害薬(AI)が用いられます。しかし、耐性を獲得する症例もあり、その克服が課題となっています。私たちはAI耐性モデル細胞株を独自に樹立して耐性獲得のメカニズムを解析し、その機序は複数あることを報告して参りました。また、より生体内に近い環境下で耐性を解明するため、卵巣摘出によりエストロゲンレベルを低下させたマウスにER陽性乳癌細胞を移植して形成された乳癌からもエストロゲン非依存性に増殖するAIモデル細胞株を樹立しました。これらの中にはERが過剰に発現した細胞株と陰性化した細胞株などがあり(図1A)、ヒト上皮増殖因子受容体HERファミリーの高い発現が認められました(図1B)。また、AI耐性獲得を早期に診断するため、AI耐性と関連する血液中のmiRNAの解析を進めています。

乳癌内分泌療法の耐性機序

 

AI耐性モデル細胞株におけるERaとHERファミリーの発現

図左.AI耐性モデル細胞株のXenograftにおけるERaの発現(免疫染色)。

図右.AI耐性モデル細胞株におけるHERファミリーの発現亢進

 

1. Fujiki N, Konno H, Kaneko Y, Gohno T, Hanamura T, Imami K, Ishihama Y, Nakanishi K, Niwa T, Seino Y,Yamaguchi Y, Hayashi S. Estrogen response element-GFP (ERE-GFP) introduced MCF-7 cells demonstrated the coexistence of multiple estrogen-deprivation resistant mechanisms.  J Steroid Biochem Mol Biol. 2014 139: 61-72.

2. Kimura M, Hanamura T, Tsuboi1 K, Kaneko1 Y, Yamaguchi Y, Niwa T, Narui K, Endo I, Hayashi SI. Acquired resistance to everolimus in aromatase inhibitor-resistant breast cancer. Oncotarget 2018, 9:21468-21477.

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