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掲載日:2024年1月15日
脳性麻痺や二分脊椎症、運動発達の遅れ、整形外科疾患など、主に運動機能に問題を持つ子どもたちに対して、様々な取り組みを行います。
色々な運動経験を積み重ねることが出来るように手助けをします。
基本的な運動(寝返り、お座り、ハイハイ、歩行など)の練習、日常生活動作(靴の脱ぎ履き、ベッドから車いすへの移動など)の練習、体操(ストレッチング、筋力トレーニングなど)などを行います。また、ご家庭でも簡単に出来る練習を提案します。
赤ちゃん体操その1~首のすわりを助ける運動~
呼吸に問題がある場合、痰を出し易くしたり、楽に呼吸ができるように援助します。
哺乳や食事が上手くとれない場合、姿勢や飲ませ方・食べさせ方を工夫したり、口の体操などを行います。
手術後、ストレッチングや筋力トレーニング、歩行練習などを実施します。
入院・治療による体力低下や活動性の低下を予防・最小限にする筋力トレーニング、歩行練習を実施し、退院後の学校復帰・家庭復帰を目指します。
立つ練習や歩くためにつける足の装具や、座ることが難しい子のための椅子(座位保持椅子)、移動のための車いすやバギーの作製を医師と相談して行います。
1単位20分間で必要に応じて1回につき、1から3単位行います。
理学療法(PT)は医師の処方がないと受診することができません。必ず先に当センターの発達外来、整形外科外来、神経科外来のいずれかを受診し、医師の処方を受けてください。
その後、PT初診外来(月曜、木曜)を予約し受診となります。
地域の受け入れ施設の状況、年齢等で方向性が変わります。地域に受け入れ可能な病院・発達支援センター・療育施設等ある場合は、地域へ移行となります。地域の施設と当センター併用の場合は、発達支援等を地域で、補装具など当センターでと役割分担をします。当センターで発達支援を行う場合でも訪問看護・リハビリテーション等可能な場合は併用します。18歳以降は当センターでの機能維持・補装具の更新など困難となりますので、高校卒業時に地域への全面移行を目標とします。
いずれの場合も、ご本人の状況・ご家族の状況・地域の状況を個別に検討して連携・移行を行います。
現在、当センターで理学療法士が関わっている脳性麻痺の痙縮治療として(1)ボツリヌス毒素療法、(2)選択的脊髄後根切断術、(3)整形外科手術という3つがあります。この3つの特徴と理学療法士の役割を以下に説明します。
弱毒化したボツリヌス毒素を痙縮筋に施注し、弛緩させる治療法です。海外では小児脳性まひに対して20年以上の歴史を持ち、日本では2010年に「2歳以上の小児脳性麻痺患者の上肢・下肢の痙縮」への適応が承認されました。痙縮やジストニアを軽減することが報告されており(Simpson.2008)、それらの軽減によって運動障害、異常姿勢、疼痛、介護負担などを改善させる可能性がある場合に適応となります。
(参照:小児脳性麻痺のA型ボツリヌス毒素治療―2013年国内コンセンサスについて―)
SDRとは、異常度の高い脊髄神経後根を術中に神経生理学的に同定し、神経根細糸レベルで切断することにより痙縮の軽減をはかる手術です。この手術の適応は脳性麻痺痙直型両側性麻痺(両麻痺・四肢麻痺)で、下肢の関節可動域制限のないお子さんです。また、この手術は就学前(6歳以前)に行うと、粗大運動機能の改善が見込めるという報告があります。脳性麻痺リハビリテーションガイドラインではグレードB(行うように勧められる)となっている治療法です。
整形外科手術は、下肢に関節拘縮があり、異常歩行(尖足歩行・クラウチング歩行)をきたしている脳性麻痺児に対し筋延長術や筋解離術を行い、歩容の改善や粗大運動機能の改善を目指します。また、股関節脱臼をきたしているお子さんに対しては、観血的整復術を行います。脳性麻痺リハビリテーションガイドラインではグレードB(行うように勧められる)となっている治療法です。
当センターでは痙縮のあるお子さんに対して、まず新生児期・乳児期から経口抗痙縮薬やリハビリテーションといったアプローチを行っていきます。経口抗痙縮薬やリハビリテーションで解決できない痙縮に対して上記の3つの痙縮治療を行っていきます。低年齢のうちは、痙縮が認められても筋短縮は生じていないことが多いため、ボツリヌス毒素療法を選択する場合が多いです。このボツリヌス毒素療法で筋緊張が緩和し運動機能の改善が認められた場合、恒久的に痙縮を軽減させるSDRが検討されていきます。整形外科手術は、急激な骨成長による相対的な筋短縮の起こりやすい2次性徴(思春期)以降に行う事が多いです。しかし、痙縮が強く関節拘縮が認められる場合は低年齢のうちに行うこともあります。
当センターの理学療法士は、関節可動域測定や粗大運動能力尺度(Gross Motor Function Measure: GMFM)などの運動機能評価を行います。また、多職種(整形外科医・脳神経外科医・看護師・臨床検査技師・作業療法士)とカンファレンスを開催し症例検討をしながら、この3つの方法のうちどれが適切な痙縮治療なのかを丁寧に判断します。また、周術期の集中理学療法はもちろん、科学的な裏付けを得るために研究活動も行っています。
内容 | 外来診療の見学、小児医療センター説明と質疑応答 |
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日時 | 3月第3木曜日、8月第4木曜日、9月第1木曜日 10時~11時 |
定員 | 5名(先着順) |
申込み | 1カ月前までに「sc.pt(at)saitama-pho.jp」宛にメールにてお申し込みください。
※自動メール送信対策のため、メールアドレスの表記を変更しております。
お手数ですが(at)を、@(半角文字)に置き換えてご送信ください。
メール表題は「養成学校生見学申し込みについて」とし、本文に下記(1)から(4)について記載してください。 (1)養成校名 (3)お名前 (4)目的 見学の可否はメールにて数日以内にご連絡します。 |
注意事項等 |
【感染配慮】 【服装】 【来院される皆様へ】 当日の集合時間・場所については参加者にメールにてご連絡します。 |
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